新型コロナ医療の最前線(後編)患者と家族の心を支える お別れセレモニーも
2021年3月5日16:00
鹿児島大学病院 看護師らの“覚悟”

鹿児島大学病院
24時間体制で新型コロナ患者の治療にあたる鹿児島大学病院。

防護服を着用する看護師
現場で働く看護師は、マスクの上からテープを貼り、二重手袋に防護服をつけて重症患者のケアにあたっています。

看護師
看護師:
みんな頑張ってます
協力してやっています
お互いに声を掛け合いながら

病室で働く看護師
40人近くの看護師をまとめる看護師長の山田優子さんは、2020年7月から始まった新型コロナ患者の受け入れにあたって、看護師たちの「覚悟」を感じたと話します。

山田優子看護師長
鹿児島大学病院 山田優子看護師長:
スタッフに聞くと、受け入れ前までは不安だったようですが、受け入れ直後に再びスタッフと面談すると、「やるっきゃない」「私たちにできることがあったらやっていこう」というスタッフが多かったことに、私自身非常に驚きました
患者と家族の心のサポート

「心のサポート」
鹿児島大学病院で特に心を砕いているのは、コロナ禍による面会制限の中での「患者と家族の心のサポート」です。

山田優子看護師長
鹿児島大学病院 山田優子看護師長:
(新型コロナ患者は)家族がベッドサイドで面会できません
最期の時は通夜も葬儀もできません
これに対して「私たちは何ができるだろうか」と試行錯誤してきました
看護師が発案したダイアリー

ダイアリーを説明する山田看護師長
山田さんが一冊のダイアリーを見せてくれました。

看護師が書いた「ダイアリー」
鹿児島大学病院 山田優子看護師長:
受け持った看護師が毎日の様子や季節のことを入れたり、治療、検査のことなどを日記帳に収めています

ダイアリー
このダイアリーは、2月上旬に新型コロナの重症患者として緊急入院した高齢の男性の日々を記録したものです。

ダイアリー
入院初日ー
「息が苦しかったですね。口から呼吸を助ける管を入れる処置をして、サポートを始めました。一緒に頑張りましょうね」

看護師たちの発案
近くに行くことも、触れることもできない家族のために、看護師たちの発案で始めました。

ダイアリー
鹿児島大学病院 山田優子看護師長:
退院の時に「このような様子でした」と渡すと非常に喜ばれます

山田優子看護師長
この日記帳を通して、スタッフの愛を感じてくださっているようです
残された家族にどう寄り添うか

悲しい現実も
一方、悲しい現実に直面することもあります。
患者の死。
新型コロナの患者が亡くなると、家族と最期の別れもできないまま、遺骨で対面することも多いといいます。