さらに利便性を…鹿児島県の公共交通機関のキャッシュレス事情
2022年8月2日19:17
【新たな支払いシステム模索の動きも】

鹿児島の公共交通機関、キャッシュレス事情は
スマートフォンの普及でキャッシュレス決済が多様化する中、鹿児島市電やバスなどの鹿児島県内の公共交通機関でも新しい支払いシステムを模索する動きがあります。利便性をさらに高めようと取り組む公共交通機関のキャッシュレス事情を取材しました。
【ラピカ導入から17年…観光立県の切り口からは限界も】

2005年に導入された「ラピカ」
2005年、鹿児島県内のバスや鹿児島市電で利用できる共通のICカード乗車券「ラピカ」が導入されました。
乗客(2005年取材)
「小銭がないときもすぐ払えるので使いやすい」
「1回これを買うと何カ月も使えるのですごく便利」
使い勝手の良さと入金分の1割のプレミアが付くラピカ、現在は鹿児島市電の利用客の約7割が使っているということです。
しかし、九州経済研究所の福留一郎部長は、「観光立県・鹿児島」の切り口で見た時のラピカの限界を指摘します。
九州経済研究所・福留一郎部長
「専用のカードを作らないといけない、それがひとつのハードル。たとえば県外から観光とかいろんな人が来るが、専用カードを持っていることはほとんどない」
【「Suicaを使えるようにしてほしい」との要望も…実現には6億円以上】

Suicaは交通系ICカードの代表格だが…
ラピカの利用者が県民に偏る中、鹿児島市交通局にはある交通系ICカードの導入を希望する声が根強く届いています。
鹿児島市交通局・水之浦達也総合企画課長「Suicaを使えるようにしてほしい、と。鹿児島市内の人から県外の人が来た時、困るではないか、と」
首都圏などの公共交通機関で利用できるSuicaは交通系ICカードの代表格で、JR九州では2013年から相互利用サービスが始まっています。
しかし、鹿児島市電へのSuica導入には6億円以上の費用が見込まれ、実現には至っていません。
【海外で広がるクレジットカード決済…鹿児島市交通局は】

クレジットカード決済導入のポイントは?
かわって市電での導入が検討されているのがクレジットカードによる運賃決済です。
鹿児島市交通局・水之浦達也総合企画課長
「海外ではクレジットカードの非接触型決済の運賃決済が広がっていて、インバウンド対策ということで優れている面もあるので」
クレジットカードによるキャッシュレス決済を導入する上で重要となるのは、振動が避けられない電車の中でも機器が故障しにくいこと、そしてなるべく多くのカード会社に対応できることです。
鹿児島市交通局では企業からの企画案を募集した上で、2022年12月までに実証実験を開始する方針です。