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新学期前・子どもの悩みにどう向き合う?相談窓口「チャイルドライン」 鹿児島

2024年8月30日(金) 18:24

今度の土日をすぎれば、多くの学校は始業式です。しかし、実はこの時期は、全国的に自ら命を絶ってしまう人が多いとされる時期でもあります。新学期を前に少し不安な気持ちを抱えているお子さんや、保護者の方もいるかもしれません。子どもの相談を受け付けている窓口で、気持ちが少し楽になるヒントや、子どもの悩みを聞くためのアドバイスを尋ねました。

チャイルドラインの活動を続ける山崎眞子さん
「例えば電話の先で『今リストカットしているんだ』と話があったときに、私も一人の母親なので『そんなことしたらお母さんも悲しむよ』って言いたいんですけど、そういう気持ちはぐっとこらえて『リストカットしている今どういう気持ち?』とか『どういうことがあったの?』『話を聞かせてくれる?』と理解し、受け止めていきます」

7月、鹿児島市の鹿児島南特別支援学校で開かれた子どもの声を聞くための講演会です。

参加したのは、学校の職員ら100人以上。

夏休み期間中に子どもの悩みや性の問題と向き合おうと開かれました。

講演しているのは、性教育認定講師の山崎眞子さんです。


山崎眞子さん
「自分にも子供が2人いるんですけれども、その子供たちの心の声に寄り添う、っていうのが、どういうものなのかを知りたかったっていうのがあります」

山崎さんが講演活動の傍ら13年続けているのが、「チャイルドライン」の活動です。

チャイルドラインとは18歳以下の子どものための相談窓口のことです。

電話をかけると全国に約2000人いる相談員にランダムでつながり、話ができる仕組みになっています。

電話での相談以外にも、チャット形式での相談や、ウェブ上で気持ちをつぶやくだけの利用もできます。

警察庁の統計による、月別の自殺者数の推移です。

ここ5年間の平均を見ると、8月と9月は特に多くなっていることが分かります。

チャイルドラインによりますと、死にたい、自殺したいといった「希死念慮」についての相談の割合は8月と9月に急増。

自殺の増加時期を照らし合わせて見ても、この時期に特にストレスが高まっていることが伺えます。

その背景にはー

山崎眞子さん
「新学期どうしよう、重くなってくる、不安感が増す、っていうところから増えるのではないかなと思います」

全国から寄せられる相談の中には、こんな声も。

山崎眞子さん
「3人組で仲が良かったけれども、そのうち2人がとても仲が良い。もしかしたら自分は嫌われているかもしれないかもしれない、という様な、いろんな不安要素が満載になって、新学期迎えるのが不安、怖いって言うような声が聞かれたり」

チャイルドラインでは9月4日まで相談員の人数を増やし、より多くの子どもたちの悩みを聞けるよう対応しているということです。

一方で、様々な悩みを抱える子どもたちに大人たちはどう向き合えばよいのでしょうか。相談員の目線でアドバイスをもらいました。

山崎眞子さん
「話すまでのタイミングがあると思うので、ある電話の受け手は30分待ったって言うこともあります。子供が話をしたいことを、話したいタイミングでしっかりと聞いていくのが良いのかなと思います」

「私たちチャイルドラインは子供たちの気持ちに焦点を当てて聞いています。例えば『学校に行きたくない』っていう様な表現があったときに、『なぜ学校に行きたくないの?』『誰かにいじめられているの?』という風に、一般的には聞きがちだと思うんですけれども、そうではなくて、『学校に行きたくないその気持ちってどこから来たのかな?』とか、『どうしてそういう風に感じたの?』って言う。そうすると子供たちが自分の心の整理がついていくっていうことがあります」

気持ちを表す言葉が見つからない場合はこんなツールも。

チャイルドラインのホームページに用意されている、言葉のカードです。

山崎眞子さん
「うまく話す必要は全然なくて、そういう不安なものとか何かモヤモヤとしているものを、ぜひ吐き出して一歩を進めてほしいと思います」

チャイルドラインの電話での相談はフリーダイヤルで0120-99-7777、毎日、午後4時から午後9時まで受け付けています。

詳しくは「チャイルドライン」で検索して、ホームページをご覧ください。

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