「地域から店をなくしたくない」3世代で力を合わせて 大崎町で人気の書店×そば屋さん×カフェ 鹿児島
2024年9月27日(金) 18:33
鹿児島県大崎町のそば屋さんとカフェを併設した少し変わった書店の話題です。
「地域から店をなくしたくない」と母と娘、そして孫の3世代にわたる3人の女性の挑戦をご覧ください。
KTS鹿屋支局・吉留李奈記者
「ここは大崎町の中心部で飲食店が立ち並んでいるのですが、今回紹介するのが、こちら。全世代の人に人気のスポットなんです」
大崎町にある「大崎書店」。
その店の奥、この場所に座っていつも店番をしているのが宮内田鶴子さんです。
今から45年前、1979年にオープンした大崎書店。
しかし、電子書籍の台頭に伴い、店頭に並ぶ本の数は全盛期の10分の1以下になってしまったそうです。
大崎書店・宮内田鶴子さん(84)
「コミックもなくて文庫もなくて、参考書も減らしましたから。とにかく少なくなって、こういう形になりました」
今では店頭に並ぶのは本よりも文房具の方が多いと言います。それでも宮内さんは「なくては困る」と言うお客さんの声に応えたいと84歳になった今も書店を切り盛りしています。
宮内田鶴子さん
「好きな仕事だったから続けられた」
そんな宮内さんに2023年3月、強力な助っ人がやってきました。
娘の智子さんです。
智子さんは「大崎書店」の一角で、そば屋「智庵」を開業。
高齢の宮内さんをフォローしながらお店に立っています。
実はこの「智庵」も、お客さんの「なくなったら困る」がきっかけで始まったお店なんです。
智庵・穂園智子さん(55)
「出前取ったり食べに行ったりしていたんですが、急にその方が亡くなられて、お店を閉めるという話になった。元々飲食店をしたかった。あの味がなくなるのが心残り」
なんと智子さん。
大崎町で約40年続いた行きつけのそば屋さんが閉店すると聞き、自分がその味を引き継ぐと名乗りをあげたのです。
穂園智子さん
「オープンまでの間は毎日家でそば打ちをして。家族は毎日そばだから『食べたくない』って言うくらい、そばばっかり食べさせて」
そばは香りが高く、のどごしが良いとされる二八そば。
製粉方法の違う2種類のそば粉を使うこだわりようです。
また、水によって味が変わる繊細なだしは、先代の店と同様に地下水を使いたいと、智子さんは店の横の敷地を約70メートルも掘り、地下水を確保しました。
先代の店の味を忠実に再現した絶品のそばは、今も変わらない大崎町民のソウルフードです。
お客さん
「相変わらずおいしいです」
「いつもの味」
そこへ運ばれてきたのは、そば屋さんには一見不釣り合いな、アイスとコーヒーです。
実は「智庵」の隣にはカフェもあるんです。
中心となってカフェを切り盛りしているのが、宮内さんの孫、亜美さんです。
大崎町にはコーヒーチェーン店もファストフード店もありませんが、地域の人たちの「あったらいいな」が形となったこのカフェが、のんびり過ごせる空間となっています。
穂園智子さん
「おばあちゃんともけんかするんですけど、家族なので、言いたいことだけ言って次の日は普通に仕事する。
宮内田鶴子さん
「親子一緒に仕事ができるので幸せだと思います」
書店に、そば屋さんに、カフェ。
3世代にわたって3人の女性が取り組む大崎町のお店のともしびを守るための挑戦は、今も続いています。
「地域から店をなくしたくない」と母と娘、そして孫の3世代にわたる3人の女性の挑戦をご覧ください。
KTS鹿屋支局・吉留李奈記者
「ここは大崎町の中心部で飲食店が立ち並んでいるのですが、今回紹介するのが、こちら。全世代の人に人気のスポットなんです」
大崎町にある「大崎書店」。
その店の奥、この場所に座っていつも店番をしているのが宮内田鶴子さんです。
今から45年前、1979年にオープンした大崎書店。
しかし、電子書籍の台頭に伴い、店頭に並ぶ本の数は全盛期の10分の1以下になってしまったそうです。
大崎書店・宮内田鶴子さん(84)
「コミックもなくて文庫もなくて、参考書も減らしましたから。とにかく少なくなって、こういう形になりました」
今では店頭に並ぶのは本よりも文房具の方が多いと言います。それでも宮内さんは「なくては困る」と言うお客さんの声に応えたいと84歳になった今も書店を切り盛りしています。
宮内田鶴子さん
「好きな仕事だったから続けられた」
そんな宮内さんに2023年3月、強力な助っ人がやってきました。
娘の智子さんです。
智子さんは「大崎書店」の一角で、そば屋「智庵」を開業。
高齢の宮内さんをフォローしながらお店に立っています。
実はこの「智庵」も、お客さんの「なくなったら困る」がきっかけで始まったお店なんです。
智庵・穂園智子さん(55)
「出前取ったり食べに行ったりしていたんですが、急にその方が亡くなられて、お店を閉めるという話になった。元々飲食店をしたかった。あの味がなくなるのが心残り」
なんと智子さん。
大崎町で約40年続いた行きつけのそば屋さんが閉店すると聞き、自分がその味を引き継ぐと名乗りをあげたのです。
穂園智子さん
「オープンまでの間は毎日家でそば打ちをして。家族は毎日そばだから『食べたくない』って言うくらい、そばばっかり食べさせて」
そばは香りが高く、のどごしが良いとされる二八そば。
製粉方法の違う2種類のそば粉を使うこだわりようです。
また、水によって味が変わる繊細なだしは、先代の店と同様に地下水を使いたいと、智子さんは店の横の敷地を約70メートルも掘り、地下水を確保しました。
先代の店の味を忠実に再現した絶品のそばは、今も変わらない大崎町民のソウルフードです。
お客さん
「相変わらずおいしいです」
「いつもの味」
そこへ運ばれてきたのは、そば屋さんには一見不釣り合いな、アイスとコーヒーです。
実は「智庵」の隣にはカフェもあるんです。
中心となってカフェを切り盛りしているのが、宮内さんの孫、亜美さんです。
大崎町にはコーヒーチェーン店もファストフード店もありませんが、地域の人たちの「あったらいいな」が形となったこのカフェが、のんびり過ごせる空間となっています。
穂園智子さん
「おばあちゃんともけんかするんですけど、家族なので、言いたいことだけ言って次の日は普通に仕事する。
宮内田鶴子さん
「親子一緒に仕事ができるので幸せだと思います」
書店に、そば屋さんに、カフェ。
3世代にわたって3人の女性が取り組む大崎町のお店のともしびを守るための挑戦は、今も続いています。