神様の一泊旅行 伝統行事「隼人浜下り」 今年は異変も・・ 鹿児島・霧島市
2024年11月7日(木) 18:45
郷土色豊かな秋の伝統行事のひとつに壮大な武者行列で知られる、鹿児島県霧島市の隼人浜下りがあります。
鹿児島神宮の神がみこしに乗って、年に一度の一泊旅行にでかけるという祭りの様子を取材しました。
静まりかえる月夜の境内に姿を現す神職たち。
霧島市の鹿児島神宮では、秋の伝統行事「隼人浜下り」を前に、本殿にまつる神をみこしに移す神事が行われました。
神の名は、神話では山幸彦と呼ばれる彦火火出見尊。
空のみこしが本殿に上げられますが、神を乗せる瞬間は、神職以外は見ることすらも許されない厳かな儀式です。
神が乗り込んだみこしは、静かに11月8日の出発を待ちます。
一夜明けて…
隼人浜下りは、山幸彦が海の神に会うため、年に一度だけ社を出て海岸に向かう行事です。
神職や氏子たちは行列を作って神様を案内します。
鹿児島神宮の境内では、実行委員会のメンバーが出発の支度を進めていました。
「どなたか上の方を見てください」
「大丈夫」
「下げましょうか」
「下げて!」
ところが思わぬ事態が起きます。
時折、雷雨も交じる不安定な天候で、急きょ、武者行列は中止が決定。
それでも、海に出かける神様の一泊旅行をなんとか実現しようと、みこしには雨よけがかぶせられ、車の荷台でみこしが運ばれることになりました。
鹿児島神宮・幸野珍廣宮司
「車でお連れするのは申し訳なくて。現代的なお祭りになってしまうけど、古式ゆかしくお仕えせねばならないのを」
この映像は今から25年前の浜下りの様子です。
神様が乗ったみこしの前後に、総勢400人ほどの武者行列や雅楽の演奏隊が続き、沿道は大勢の人が神様の旅の往来をもてなしています。
1000年以上の歴史を持つとされる浜下りですが、この長い歴史の中で、神様が車で旅をするのは、2024年が初めてではないかということです。
鹿児島神宮から山を下ること約4.5キロ。
みこしが到着した隼人港では浜下りの大切な行事、「放生会」が行われました。
これは、生き物を海に放って、霊をなぐさめる儀式です。
天気が少しずつ回復してきました。
旅の最終目的地まであとわずか。
武者役の2人が駆けつけました。
駆けつけた武者
「今年はようやく参加できるとのことだったがあいにくの雨で、残念なところですがちょっと夕方だけ参加すると」
駆けつけた武者
「甲冑を作って自分で出てみたいと長年思っていたから、神様をお守りする大事な役目なので頑張ります」
みこしは笛と太鼓の行列に先導され、神が一晩を過ごす最終目的地、神幸地にたどりつきました。
ここは、山幸彦が海の国から帰り着いた浜があったとされ、この場所で一晩、神様をもてなすのです。
隼人浜下り・芝幸宏実行委員長
「無事来ることができて良かったなと。歴史のあるロマンのある祭なので、多くの人に参加してもらえる祭に来年はしたい」
神楽「神賑わい」という祭りです。
地元の人々はここ、神幸地に年に1度だけ訪れる神様を太鼓の演奏や舞踊でもてなし、そして神様はお返しの餅まきで人々をねぎらいます。
伝統行事、隼人浜下り。
祈りと安らぎと共に、夜が更けていきます。
鹿児島神宮の神がみこしに乗って、年に一度の一泊旅行にでかけるという祭りの様子を取材しました。
静まりかえる月夜の境内に姿を現す神職たち。
霧島市の鹿児島神宮では、秋の伝統行事「隼人浜下り」を前に、本殿にまつる神をみこしに移す神事が行われました。
神の名は、神話では山幸彦と呼ばれる彦火火出見尊。
空のみこしが本殿に上げられますが、神を乗せる瞬間は、神職以外は見ることすらも許されない厳かな儀式です。
神が乗り込んだみこしは、静かに11月8日の出発を待ちます。
一夜明けて…
隼人浜下りは、山幸彦が海の神に会うため、年に一度だけ社を出て海岸に向かう行事です。
神職や氏子たちは行列を作って神様を案内します。
鹿児島神宮の境内では、実行委員会のメンバーが出発の支度を進めていました。
「どなたか上の方を見てください」
「大丈夫」
「下げましょうか」
「下げて!」
ところが思わぬ事態が起きます。
時折、雷雨も交じる不安定な天候で、急きょ、武者行列は中止が決定。
それでも、海に出かける神様の一泊旅行をなんとか実現しようと、みこしには雨よけがかぶせられ、車の荷台でみこしが運ばれることになりました。
鹿児島神宮・幸野珍廣宮司
「車でお連れするのは申し訳なくて。現代的なお祭りになってしまうけど、古式ゆかしくお仕えせねばならないのを」
この映像は今から25年前の浜下りの様子です。
神様が乗ったみこしの前後に、総勢400人ほどの武者行列や雅楽の演奏隊が続き、沿道は大勢の人が神様の旅の往来をもてなしています。
1000年以上の歴史を持つとされる浜下りですが、この長い歴史の中で、神様が車で旅をするのは、2024年が初めてではないかということです。
鹿児島神宮から山を下ること約4.5キロ。
みこしが到着した隼人港では浜下りの大切な行事、「放生会」が行われました。
これは、生き物を海に放って、霊をなぐさめる儀式です。
天気が少しずつ回復してきました。
旅の最終目的地まであとわずか。
武者役の2人が駆けつけました。
駆けつけた武者
「今年はようやく参加できるとのことだったがあいにくの雨で、残念なところですがちょっと夕方だけ参加すると」
駆けつけた武者
「甲冑を作って自分で出てみたいと長年思っていたから、神様をお守りする大事な役目なので頑張ります」
みこしは笛と太鼓の行列に先導され、神が一晩を過ごす最終目的地、神幸地にたどりつきました。
ここは、山幸彦が海の国から帰り着いた浜があったとされ、この場所で一晩、神様をもてなすのです。
隼人浜下り・芝幸宏実行委員長
「無事来ることができて良かったなと。歴史のあるロマンのある祭なので、多くの人に参加してもらえる祭に来年はしたい」
神楽「神賑わい」という祭りです。
地元の人々はここ、神幸地に年に1度だけ訪れる神様を太鼓の演奏や舞踊でもてなし、そして神様はお返しの餅まきで人々をねぎらいます。
伝統行事、隼人浜下り。
祈りと安らぎと共に、夜が更けていきます。