鹿児島・さつま町の個性派スーパー 最後の一日 名物社長が伝えたいこと
2025年11月5日(水) 18:36
鹿児島県さつま町でユニークな品揃えで長年親しまれてきたスーパーが、人手不足や設備費の高騰などにより、10月いっぱいで、34年の歴史に幕を閉じました。
地域にこだわりの商品を届け続けた社長の思い、そして、お店の最後の1日に密着しました。
さつま町永野のスーパー「フレッシュ☆くまだ」。
「フレくま」の愛称で親しまれてきた店には、この店でしか販売されない希少な天然塩など珍しい商品を集め、独自性を貫いてきました。
KTSではちょうど1年前にもこのお店を取材。
社長の熊田卓三さんはこだわりをこんな風に話していました。
フレッシュくまだ・熊田卓三社長
「僕らは個人スーパーだから自分で好きなものを持ってきて好きなように切って売っているだけ。だから変態な店と言われるんです(笑)」
その珍しさに、週末になると町外からも客が訪れるといいますが、10月の初め、熊田社長はSNSにこう記しました。
「10月31日を持ちまして閉店いたします」
理由は多くの店が苦しむ人手不足や設備費の高騰です。
閉店を知らせる告知には多くの惜しむ声が…
フレッシュくまだ・熊田卓三社長
「(お客さんが)思っている以上の衝撃で、私の方がビックリするぐらい。こんな小さい、個人店に対して、そこまで思ってくれるお客様がいたんだなと」
店の歴史は、熊田社長の祖父母が創業した雑貨店から含めると90年以上。
スーパーとしての営業は34年になります。
お店が一番の売りにしたのは鮮魚。珍しい魚も並びます。
山間部にもおいしい魚を届けたい。
社長自ら、鹿児島県阿久根市や鹿児島市の市場に毎朝足を運び、仕入れてきました。
フレッシュくまだ・熊田卓三社長
「自分がおいしそうだなと思ったのをお客さんが食べておいしいと思ってくれる。それが一番」
店頭に並べる魚は全て売り切るという揺るぎない信念のもと、新鮮さへのこだわりは仲買人も感服です。
濱崎魚類(仲買人)・吉野浩二さん
「(こだわりがあり)困らされるのは、しょっ中でした。妥協しない人なんで、とことん追求し、面白いことを常に考えてしてる人だから、私たちも相手していて楽しいし、本当はもっと続けて欲しかった」
魚のさばき方も同業者の指導を受け、今はご覧の通り。
手探りだった当時を懐かしみます。
フレッシュくまだ・熊田卓三社長
「最初はばんそうこうだらけ。魚を切るのではなく自分の手を切るのが仕事でした(笑)」
この日、魚を品定めしていた買い物客からも閉店を惜しむ声が聞かれました。
買い物客
「いろいろ、惣菜もおいしいし、(閉店を聞き)時間があったんでぜひと思い、いつも買い物をしていたので残念です」
そして、迎えた営業最終日。
社長の妻・熊田成美さん
「きょう一日、最後みなさんと気合いを入れて頑張っていきたい」
取引先へのあいさつ回りで欠席の社長に代わり、父で会長の軍吉さんと妻の成美さんが最後の朝礼を行い、シャッターが開けられます。
「いらっしゃいませ」
「元気だったー!?お世話になりました」
「ありがとう!」
閉店前に売り尽くしセールをしていた店内の陳列棚はほぼ空の状態。
ですが、店には多くの買い物客が訪れます。
薩摩川内支局・牧瀬大輔記者
「商品がほぼ売り尽くされた店内には、これまでの営業に感謝を伝えるために贈られた花やメッセージが飾られています」
熊田社長も店に戻ってきました。
フレッシュくまだ・熊田卓三社長
「花が贈られてきて何もないから、あしたから商品が入ってきて新装開店かと思うよね(笑)」
最後の日も社長は笑顔で買い物客と接し続けました。
買い物客
「30年ぐらい通っていた」
「懐かしく、最後のお別れで、社長と会えて良かった」
そして、閉店時間が近づいた夕方・・・
買い物客
「これで終わりか?」
店員
「これもありますよ、半額、半額、半額」
お客
「これが良いな。もう最後がこれだよ」
店の外には熊田さんを慕う同業者や地域住民など、約100人が集まっていました。
社長には長年の営業をねぎらう花束が手渡されます。
そして最後の挨拶。
笑顔を見せていた社長も言葉に詰まります。
それでも伝えたいことがありました。
フレッシュくまだ・熊田卓三社長(56)
「色んな地域に、小さなお店がいっぱいある。そのお店、無くなって欲しくないお店、あると思います。それを守っていくのはその地域の皆さんだと思います。皆さんでしっかり守ってあげてください。ありがとうございました」
惜しまれつつ長年の営業に幕を閉じた地域の名物スーパー、「フレッシュ☆くまだ」。
「34年間ありがとうございました」
個性あふれる店と店主の人柄は、多くの人の思い出に残り続けます。
地域にこだわりの商品を届け続けた社長の思い、そして、お店の最後の1日に密着しました。
さつま町永野のスーパー「フレッシュ☆くまだ」。
「フレくま」の愛称で親しまれてきた店には、この店でしか販売されない希少な天然塩など珍しい商品を集め、独自性を貫いてきました。
KTSではちょうど1年前にもこのお店を取材。
社長の熊田卓三さんはこだわりをこんな風に話していました。
フレッシュくまだ・熊田卓三社長
「僕らは個人スーパーだから自分で好きなものを持ってきて好きなように切って売っているだけ。だから変態な店と言われるんです(笑)」
その珍しさに、週末になると町外からも客が訪れるといいますが、10月の初め、熊田社長はSNSにこう記しました。
「10月31日を持ちまして閉店いたします」
理由は多くの店が苦しむ人手不足や設備費の高騰です。
閉店を知らせる告知には多くの惜しむ声が…
フレッシュくまだ・熊田卓三社長
「(お客さんが)思っている以上の衝撃で、私の方がビックリするぐらい。こんな小さい、個人店に対して、そこまで思ってくれるお客様がいたんだなと」
店の歴史は、熊田社長の祖父母が創業した雑貨店から含めると90年以上。
スーパーとしての営業は34年になります。
お店が一番の売りにしたのは鮮魚。珍しい魚も並びます。
山間部にもおいしい魚を届けたい。
社長自ら、鹿児島県阿久根市や鹿児島市の市場に毎朝足を運び、仕入れてきました。
フレッシュくまだ・熊田卓三社長
「自分がおいしそうだなと思ったのをお客さんが食べておいしいと思ってくれる。それが一番」
店頭に並べる魚は全て売り切るという揺るぎない信念のもと、新鮮さへのこだわりは仲買人も感服です。
濱崎魚類(仲買人)・吉野浩二さん
「(こだわりがあり)困らされるのは、しょっ中でした。妥協しない人なんで、とことん追求し、面白いことを常に考えてしてる人だから、私たちも相手していて楽しいし、本当はもっと続けて欲しかった」
魚のさばき方も同業者の指導を受け、今はご覧の通り。
手探りだった当時を懐かしみます。
フレッシュくまだ・熊田卓三社長
「最初はばんそうこうだらけ。魚を切るのではなく自分の手を切るのが仕事でした(笑)」
この日、魚を品定めしていた買い物客からも閉店を惜しむ声が聞かれました。
買い物客
「いろいろ、惣菜もおいしいし、(閉店を聞き)時間があったんでぜひと思い、いつも買い物をしていたので残念です」
そして、迎えた営業最終日。
社長の妻・熊田成美さん
「きょう一日、最後みなさんと気合いを入れて頑張っていきたい」
取引先へのあいさつ回りで欠席の社長に代わり、父で会長の軍吉さんと妻の成美さんが最後の朝礼を行い、シャッターが開けられます。
「いらっしゃいませ」
「元気だったー!?お世話になりました」
「ありがとう!」
閉店前に売り尽くしセールをしていた店内の陳列棚はほぼ空の状態。
ですが、店には多くの買い物客が訪れます。
薩摩川内支局・牧瀬大輔記者
「商品がほぼ売り尽くされた店内には、これまでの営業に感謝を伝えるために贈られた花やメッセージが飾られています」
熊田社長も店に戻ってきました。
フレッシュくまだ・熊田卓三社長
「花が贈られてきて何もないから、あしたから商品が入ってきて新装開店かと思うよね(笑)」
最後の日も社長は笑顔で買い物客と接し続けました。
買い物客
「30年ぐらい通っていた」
「懐かしく、最後のお別れで、社長と会えて良かった」
そして、閉店時間が近づいた夕方・・・
買い物客
「これで終わりか?」
店員
「これもありますよ、半額、半額、半額」
お客
「これが良いな。もう最後がこれだよ」
店の外には熊田さんを慕う同業者や地域住民など、約100人が集まっていました。
社長には長年の営業をねぎらう花束が手渡されます。
そして最後の挨拶。
笑顔を見せていた社長も言葉に詰まります。
それでも伝えたいことがありました。
フレッシュくまだ・熊田卓三社長(56)
「色んな地域に、小さなお店がいっぱいある。そのお店、無くなって欲しくないお店、あると思います。それを守っていくのはその地域の皆さんだと思います。皆さんでしっかり守ってあげてください。ありがとうございました」
惜しまれつつ長年の営業に幕を閉じた地域の名物スーパー、「フレッシュ☆くまだ」。
「34年間ありがとうございました」
個性あふれる店と店主の人柄は、多くの人の思い出に残り続けます。
















































































































