辰年は、これまで努力してきたことが実を結ぶ年。
そこで、今年、さらなる活躍が期待できる鹿児島の人を紹介する企画「昇龍の如く活躍するかごんま人」をお送りしました。
今回は、桜島の火山灰を使って活動している、
鹿児島のシンボル桜島。
桜島は、あす2024年1月12日、大正大噴火から110年を迎えます。
その桜島の「ある」ものを使って活動しているのが、植村さんなんです。
一体、どんな人物で、どんな活動をしているのでしょうか。
桜島にある、有村溶岩展望所で待ち合わせです。
(植村さん)
ここにある、灰を集めています。
植村さんの活動に欠かせない、桜島の火山灰。
その火山灰を自宅へ持ち帰ります。
植村さんは、火山灰で絵を描く、火山灰アーティストなんです。
鉛筆などの道具を、一切使わないのが植村さん流。
(植村さん)
道具がないと描けなくなってしまう。
この灰が、鹿児島はどこででも手に入るので。
学生の頃から、絵を描くことが好きだったという、植村さん。
初めて火山灰で絵を描き始めたのは、2016年に、熊本で発生した地震がきっかけでした。
当時、桜島にあるビジターセンターに勤めていた植村さん。
施設を訪れる人たちに、募金を呼び掛けるポスターのようなものを作ろうと、考えていた時のことでした。
(植村さん)
たまたま朝、掃除をして、小山のようになっている火山灰があったので、あれで描いたらいいんじゃない!意外と描けるじゃん!と思って。
ちゃんと形になるんだ、灰でって、驚きは凄くあったと思う。
その後も、施設を訪れる人達へのウエルカムボード代わりに、植村さんは火山灰アートを続けました。
(植村さん)
ただ落ちていると踏んでいくけど、絵にしただけで、灰なのに驚いたり、キレイだねとおっしゃってくれる人もいる。
鹿児島という土地の特色を知るきっかけにしてもらえたら嬉しいなと思って、色々描いています。
2019年から、火山灰アーティストとして、本格的に活動を開始した植村さん。
作品展などへ積極的に応募して入賞するなど、火山灰アーティストとしての評価は上々です。
その噂が広まり、作品の依頼が届くことも。
(マリンパレスかごしま・山小田浩己さん)
県内の各市町村の風物詩を表現できないかと、植村さんに依頼したのがきっかけ。
強弱も、明るいところ、薄いところも全部、桜島の灰を使っていると聞いて関心するばかり。
植村さんの凄さを実感するために、火山灰アートを体験してみました。
お題は、「ポヨのお正月」です。
ボンドで前準備。
そして、火山灰をキャンバスへ。
しかし、経験して難しさが分かりました。
パッと見て、これが何か分かる作品を作れる植村さんは、凄いんです。
同じお題で、植村さんにも作って頂きました。
今年で8年目となる、火山灰アートの活動。
国外で披露したこともあるといいます。
(植村さん)
ビジターセンターに来て下さったお客さんの中に、ベルギー人の女性カメラマンがいて。
作品展をベルギーでするから、あなたも来ない?って。
で、灰も持ってきて!って言われたので、持って行って。
(植村さん)
ベルギーには、近くに火山がないので、活火山があるところに本当に人が住んでいるんだ!って。
写真で見て、コレ(火山灰)が降ってくるんだ、みたいな。
さらに、去年、韓国ではワークショップを開催。
(植村さん)
手触りの感じが土と違うことに驚いたとか。
国外の方に、火山灰アートを見てもらうからこそ、鹿児島を旅行の目的地に選んで頂いたり、面白い街が日本の中にもあるんだということを知っていただけるのが、火山灰アートの魅力。
日々、 火山灰アートの魅力を伝えるために大忙しの植村さん。
この日は、ワークショップの打ち合わせに自ら出向きました。
(博多阪急・南駿介さん)
日常にある火山灰を通じて、鹿児島の魅力や親子で楽しめるイベントになればいい。
そして、自宅に戻ると、福岡の百貨店で開催予定の催事の打ち合わせです。
(石橋記念公園・船迫陽平さん)
桜島の火山灰は、違う使われ方をしているんだなというのを、面白さと楽しさというところから伝えていきたい。