番組表
ON AIR

ニュース・スポーツ

コロナ5類移行から1年 新型コロナに対する受け止め方は 鹿児島

2024年5月8日(水) 19:35

1年前の5月8日、新型コロナの感染症法上の位置づけが季節性インフルエンザなどと同じ「5類」に移行しました。

病気そのものによる健康被害にとどまらず、感染拡大防止のため商業施設の営業自粛やイベントの中止・延期など、私たちの社会にも大きな影響を与えてきました。

5類移行から1年がたった今、私たちの新型コロナに対する受け止めはどのように変わったのでしょうか。

鹿児島市天文館。ゴールデンウィーク最終日のこの日、道ゆく人の口元を見てみると、新型コロナの流行以降、当たり前となったマスクを着けている人もいれば、着けていない人もいました。

5類移行から1年。今の新型コロナに対する受け止めを聞いてみると…

70代
「怖さは前はあったが、今は薄れた」
10代
「今は(感染者が)少なくなってきているからあまり怖くない」
20代
「今は(コロナのことを)報道されていないこともあって、自分たちにとっては風邪と一緒のような感覚になっているのは事実かなと思う」

新規採用職員の辞令交付式など、大人数が参加するイベントで使われる県庁2階の講堂です。

毒性の強いデルタ株が蔓延し、夏休み明けの学校では時差登校が始まった2021年9月。

この広い空間は、新型コロナに対応する県の各部署が集結する「コロナの最前線」となりました。

医療審議監として、感染者の搬送や入院調整などに携わった中俣和幸さんは、当時をこう振り返ります。

県医療審議監・中俣和幸さん
「『これはもう、災害と一緒だ』と。『災害の時はみんなここに集まるだろう』ということで、ここに集められた」

ここに集まっていたコロナチームは、新型コロナの5類移行から10カ月後の2024年3月に解散。

現在は感染症対策課がコロナ対策を継続しています。

2023年5月以降の県内における新型コロナの感染状況を、定点医療機関1つあたりの週ごとの感染者数で示したグラフです。

感染者数の推移は読み取れますが、定点把握はそれ以前の全数把握と比べ、感染の規模をイメージしにくい側面があるといいます。

県医療審議監・中俣和幸さん
「時間的、横の広がりの確認。もう一つはゲノム解析を定期的にやっている。今までの株に比べて感染力が強いとか、毒性が強いとなったら、それは感染者が少数でも注意喚起する」

鹿児島市のクリニックでも、コロナへの意識の変化を伺わせる光景がありました。

入ってすぐの目立つ位置に貼られたポスターの中に、新型コロナに関するものは1枚もありません。

ますみクリニック・青山浩一院長
「以前はコロナにかかったらガックリとして、天を仰いでどうしようと。今は周りの人も本人も1回2回かかったりして、『こんなもので済んだな』とちょっと落ち着いてきた感じ」

新型コロナは株の変異に伴ってその特徴を変えてきました。最近の感染者にみられる症状は…

ますみクリニック・青山浩一院長
「今は1日の発熱来院が10人ぐらい。その中のコロナ陽性は1人ぐらいで随分減った。インフルエンザに比べるとちょっと熱が低い感じ。ただ、のどの痛みやせき、たん、鼻水、呼吸器の症状は以前と変わらずある」

また、医療費の公的負担も2024年3月で終了し、4月1日からコロナの治療費は通常の治療と同様の「自己負担」となりました。

ますみクリニック・青山浩一院長
「その人の保険の割合で負担額は違う。3000円とか4000円とか。抗ウイルス薬を使っていた病院もあると思う。当時は公費負担で無料で出していたが今は1万円とか2万円とか高額となる」

そんな中、コロナ禍でいったん失われながらも、復活の兆候を見せつつあるのがインバウンドです。

7日、尾翼に花のデザインをあしらった旅客機が鹿児島空港に着陸しました。

4年ぶりの再開となる台湾線の定期便です。

これでコロナ禍前に4路線あった、鹿児島空港の国際線の定期便は3路線が再開しました。しかし、定期線再開までの動きは必ずしもスムーズとは言えず、残る上海線の定期便は再開のめどが立っていないと言います。

鹿児島空港ビルディング 古薗宏明社長
「県経済界のインバウンドに対する期待は重く感じていた。ただ、足元のハンドリング体制が整わず、鹿児島空港ビルディングとしても残念な思い」

国際線定期便の再開を難しいものとしたのは、駐機場での航空機の誘導や貨物コンテナの運搬など、地上支援業務を担当するグランドハンドリング要員の不足です。

ハンドリング要員の派遣を請け負う南国交通によりますと、コロナ禍前は約400人いたハンドリング要員は、現在は360人程度と、決して十分な数ではありません。

様々な業界がコロナ禍前のように動き出そうとして、人手不足という問題に直面する中、古薗社長は働く場としての航空産業の脆弱性が、コロナ禍で浮き彫りになったことを懸念します。

鹿児島空港ビルディング 古薗宏明社長
「コロナ禍で活動制限、移動制限等もあって、航空産業のリスクが認知されてしまったので、働く場としてのコロナ禍後の対応はなかなか難しい」

5類移行から1年。社会や人々のコロナに対する捉え方が変わりつつある中、街でこんな質問をしてみました。

Q.「コロナ禍は終わったと思いますか?」
40代「まだずっと続くと思いますよ。変異株もあるし、なくなることはない」
50代「終わっていないと思う。まだみんな普通にマスクをして予防しているので」
40代「終わったという感じよりもむしろ共存のイメージ」

ほとんどの人が「コロナ禍」の終わりには慎重な意見を示しました。

5類に移行したとは言え、新型コロナがこの世から消えてなくなったわけではありません。

人々が「コロナ禍が終わった」と考えるようになるのには、まだ時間がかかりそうです。

過去の記事