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ニュース・スポーツ

姶良・霧島 豪雨3カ月報告 ごみ撤去で「涙が出るほど嬉しい」と語る高齢者、だが帰れない人多数

2025年11月15日(土) 06:00

ボランティアによるゴミの撤去作業が始まった

2025年8月、鹿児島県姶良市と霧島市を中心に大きな被害をもたらした豪雨災害。被災地では復興が進んでいるものの、今なお苦境の中にある人々がいる。災害から3カ月が経過した被災地の現状を取材した。

日常を取り戻す一歩 国道10号網掛橋が開通

美坂饅頭屋

「良かったです。本当に長い3カ月でした」

11月9日、豪雨以来通行止めとなっていた姶良市加治木町の国道10号にかかる網掛橋が通行できるようになった。記録的豪雨で橋を支える杭が露出し護岸が損傷した網掛橋。一日約2万5000台もの車両が行き交う主要道路の開通に、住民から喜びの声が上がった。

橋の近くで店を営む美坂饅頭屋の美坂昌徳さんは「客が来ないときは一日10人以下」と苦境を語る。通行止めにより客足は一時7割も減少したという。開通当日は多くの客が訪れ、美坂さんは「当たり前の日常が当たり前であることがいいことなんでしょうね」と安堵の表情を見せた。

今も続く被災者の苦悩

涙ぐむ山元恵美子さん

一方で、豪雨から3カ月経過しても自宅に戻れない住民が多数いる。姶良市加治木町に住む山元恵美子さん(76)の自宅は、被災した当時のままだ。

「どうしたらいいかな。自分の足ではできない」

高齢で足が不自由な山元さんは、近くに住む姉の家に身を寄せている。11月7日、姶良市の社会福祉協議会の手配でようやくボランティアによるごみの撤去作業が始まった。「助かりました。涙が出るくらいうれしかった」と山元さんは感謝を口にした。

片付けの最中、山元さんは20年前に病気で亡くなった次女の形見の免許証を発見。「写真だけは持って帰ります」と語った。3人の子供を育て、母を介護したこの家には60年の思い出がある。「もうつらいです。身が削られるよう」と山元さんは胸の内を明かした。

遅々として進まない復興工事

霧島市隼人町の日当山地区は、用水路から水が溢れ、市内でも特に浸水被害が集中した地域だ。自転車店を営む川添清子さん(79)の自宅も床上浸水し、11月になってようやく補修工事が始まったところだった。

「大工さんの都合で生活できる状態じゃないところもあると思う」

業者不足により補修工事は進んでいない。自宅への帰還を諦め、取り壊しを決めた住宅もある。この周辺だけでも5軒が解体作業に入っていた。「人口が減る一方で、だんだんみんなが去って行って寂しい」と川添さんは寂しげに語った。

各地に残る爪痕

各地に残る爪痕

被災地では今も様々な問題が残っている。姶良市蒲生町白男では30代女性が亡くなった現場で家屋の解体や土砂搬出が進行中。霧島市隼人町嘉例川ではJR肥薩線の線路が宙づり状態となり、再開のめどが立っていない。

姶良市加治木町小山田の竜門小学校横では、崩落した中田橋の橋脚だけが残り、再建については白紙の状態だ。付近の住民は「早く復旧してほしいが、いっときはかかると聞いた」と話す。

豪雨災害から3カ月。濁流がもたらした爪痕は予想以上に深い。私たちには苦しむ人に寄り添い、復興の道のりを共に歩むことが求められている。

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