全国最多・空き家率13.6%の鹿児島で何が起きているのか 空き家を狙う手口と被害を防ぐ現実的対策
2026年4月9日(木) 13:20
人が住んでいない空き家の割合が全国で最も多い鹿児島。
今、県内ではその空き家を狙った窃盗事件が相次いでいます。
なぜ空き家は狙われるのか?
実際に被害にあった空き家にカメラが入り、今、何が起きているのか取材しました。
空き家の管理者・日高正明さん
「まさかやられるとは思わなかった。1週間ぐらい前に来てどうもなかったから。それからしばらくしたらやられていた」
こう話すのは鹿児島市に住む日高正明さん。
管理する空き家の窓には大きな穴が空いていました。
2025年11月、犯人が侵入するために割ったとみられ、警察が捜査に入りました。
今、県内では空き家を狙った窃盗事件が多発しています。
その数は増加傾向にあり、2025年は前の年の3倍近い400件を超えました。
2026年は2月末時点ですでに69件の被害が発覚しています。
そんな中、2026年2月、空き家窃盗グループが逮捕されたことが明らかになりました。
会社員やとび職などからなる男9人。
このうち7人の裁判が3月から始まりました。
鹿児島市や枕崎市などの空き家に侵入し、窃盗を繰り返したとされ、警察は被害件数は百数十件に上るとみています。
法廷の場で検察はグループの侵入の手口を明らかにしました。
検察側
「ガラスをマイナスドライバーで割って、鍵を開けた空き家の掃き出し窓から侵入した」
窃盗グループによる被害があったとされる鹿児島市南部にある空き家です。
グループとの関わりは明らかになっていませんが、この地区では同じ時期に他に5件の空き家被害が確認されています。
日高さんが管理する空き家もその一つでした。
被害にあった空き家からどんなことが見えてくるのか?
県警で防犯を担当する生活安全企画課の茗ヶ迫理事官と、県警から委嘱された防犯アドバイザーの末永考さんに話しを聞きました。
現場の空き家は人通りの少ない道路に面した場所にあります。
2人が侵入経路として推察したのが隣の建物との間にある細い路地です。
実際に見てみると背の低い塀はありますが…
県警生活安全企画課 茗ヶ迫典昭理事官
「ここも空き家。なかなか表からは入れないと思う。人の目がやっぱり怖いので、おそらく裏の所ならちょっと足をつければすぐ入れる。ここからまわって入ったと推測される」
次に見たのは割られた窓がある場所です。
窓の割れ方を見て末永さんはー
防犯アドバイザー・末永考さん
「ドライバーをぐって指してやっているんでしょうね」
そして足元には狙われやすい空き家の特徴があるといいます。
茗ヶ迫理事官
「草がぼーぼー生えていたり、郵便受けにたくさん郵便物がたまっていたり。泥棒から見て『この家は空き家だな』と分からないように」
2025年11月に侵入されたこの空き家。
当時は多くの痕跡が残されていたそうです。
茗ヶ迫典昭理事官
「靴の足跡は?」
日高さん
「鑑識の人が言うにはこの辺に靴の足跡」
茗ヶ迫典昭理事官
「押し入れや引き出しは?」
日高さん
「引き出しは2階に1カ所開けられた跡があった」
その時、空き家から貴重品が盗まれることはなかったそうですが、末永さんはある備品に注目しました。
防犯アドバイザー・末永さん
「実はここにあるテレビも結構型は古いが大きいものなので、これも転売する人もいたりするみたいなので」
末永さんは空き家を狙った犯罪が増えている理由をこのように分析します。
防犯アドバイザー・末永さん
「夜間にいつでも侵入できるし、時間をかけたって誰も帰ってこないし、誰も住んでいないので、言い方は悪いが、ゆっくり犯罪ができて目星のものを持っていけるという。捕まるリスクが少ない」
「(対策として)防犯ガラスや割れにくいガラスなど手はあるが、人が住まない家にそこまでコストをかけるかという問題がある」
空き家が犯罪のターゲットになる中、今、新たなサービスが注目されています。
「鍵が閉まっているが、隙間が少し開いている」
霧島市の空き家をチェックする男性。
所有者ではなく不動産会社の従業員です。
霧島市に本社を置くロータスホームが2年前から始めた空き家の管理サービス。
この空き家の管理者が利用するプランでは家の窓やドアの施錠、換気や掃除機での清掃活動などを月に1回行います。
ロータスホームの内田社長は空き家管理で重要な点をこう話します。
ロータスホーム・内田幸喜社長
「一番は変化に気づくこと。前回来たときより何か物が動いていないか、侵入の形跡がないか、(依頼の理由として)相続で実家を引き継いで、住まいが鹿児島県にない方が大多数を占めている」
県外からのニーズを受け、このサービスは現在、霧島市のふるさと納税の返礼品にも登録されているそうです。
県内43市町村を取材してみると、同様の空き家管理サービスを返礼品に登録しているのは17の自治体に上り、空き家問題への関心の高さがうかがえました。
県内の空き家は12万戸以上。
住宅に占める割合は13.6%と全国で最も高い数字です。
被害に遭った日高さんはその対策の難しさを口にします。
日高さん
「我々もやっぱり町内会長とか、いろんな人たちと話をして、日頃から見かけない人は要注意しているけど、わざわざ声をかけるわけにはいかないので、その点はやっぱり難しいところもある」
管理や対策に限界がある中、防犯アドバイザーの末永さんが指摘するのは被害を最小化することです。
防犯アドバイザー・末永さん
「じっくり犯罪ができるという意味では、本当にもう防ぐというよりも、被害を最小にするという意味で貴重品とか、そういったものは必ずご自宅で管理していただくというのが一番大事だと思う」
被害が増え続ける空き家。
しかし、かつてはそこに誰かの暮らしがあり、大切な時間を重ねてきた思い出が残されています。
事件の現場にならないように、眠っている空き家を見つめなおす機会が必要かもしれません。
今、県内ではその空き家を狙った窃盗事件が相次いでいます。
なぜ空き家は狙われるのか?
実際に被害にあった空き家にカメラが入り、今、何が起きているのか取材しました。
空き家の管理者・日高正明さん
「まさかやられるとは思わなかった。1週間ぐらい前に来てどうもなかったから。それからしばらくしたらやられていた」
こう話すのは鹿児島市に住む日高正明さん。
管理する空き家の窓には大きな穴が空いていました。
2025年11月、犯人が侵入するために割ったとみられ、警察が捜査に入りました。
今、県内では空き家を狙った窃盗事件が多発しています。
その数は増加傾向にあり、2025年は前の年の3倍近い400件を超えました。
2026年は2月末時点ですでに69件の被害が発覚しています。
そんな中、2026年2月、空き家窃盗グループが逮捕されたことが明らかになりました。
会社員やとび職などからなる男9人。
このうち7人の裁判が3月から始まりました。
鹿児島市や枕崎市などの空き家に侵入し、窃盗を繰り返したとされ、警察は被害件数は百数十件に上るとみています。
法廷の場で検察はグループの侵入の手口を明らかにしました。
検察側
「ガラスをマイナスドライバーで割って、鍵を開けた空き家の掃き出し窓から侵入した」
窃盗グループによる被害があったとされる鹿児島市南部にある空き家です。
グループとの関わりは明らかになっていませんが、この地区では同じ時期に他に5件の空き家被害が確認されています。
日高さんが管理する空き家もその一つでした。
被害にあった空き家からどんなことが見えてくるのか?
県警で防犯を担当する生活安全企画課の茗ヶ迫理事官と、県警から委嘱された防犯アドバイザーの末永考さんに話しを聞きました。
現場の空き家は人通りの少ない道路に面した場所にあります。
2人が侵入経路として推察したのが隣の建物との間にある細い路地です。
実際に見てみると背の低い塀はありますが…
県警生活安全企画課 茗ヶ迫典昭理事官
「ここも空き家。なかなか表からは入れないと思う。人の目がやっぱり怖いので、おそらく裏の所ならちょっと足をつければすぐ入れる。ここからまわって入ったと推測される」
次に見たのは割られた窓がある場所です。
窓の割れ方を見て末永さんはー
防犯アドバイザー・末永考さん
「ドライバーをぐって指してやっているんでしょうね」
そして足元には狙われやすい空き家の特徴があるといいます。
茗ヶ迫理事官
「草がぼーぼー生えていたり、郵便受けにたくさん郵便物がたまっていたり。泥棒から見て『この家は空き家だな』と分からないように」
2025年11月に侵入されたこの空き家。
当時は多くの痕跡が残されていたそうです。
茗ヶ迫典昭理事官
「靴の足跡は?」
日高さん
「鑑識の人が言うにはこの辺に靴の足跡」
茗ヶ迫典昭理事官
「押し入れや引き出しは?」
日高さん
「引き出しは2階に1カ所開けられた跡があった」
その時、空き家から貴重品が盗まれることはなかったそうですが、末永さんはある備品に注目しました。
防犯アドバイザー・末永さん
「実はここにあるテレビも結構型は古いが大きいものなので、これも転売する人もいたりするみたいなので」
末永さんは空き家を狙った犯罪が増えている理由をこのように分析します。
防犯アドバイザー・末永さん
「夜間にいつでも侵入できるし、時間をかけたって誰も帰ってこないし、誰も住んでいないので、言い方は悪いが、ゆっくり犯罪ができて目星のものを持っていけるという。捕まるリスクが少ない」
「(対策として)防犯ガラスや割れにくいガラスなど手はあるが、人が住まない家にそこまでコストをかけるかという問題がある」
空き家が犯罪のターゲットになる中、今、新たなサービスが注目されています。
「鍵が閉まっているが、隙間が少し開いている」
霧島市の空き家をチェックする男性。
所有者ではなく不動産会社の従業員です。
霧島市に本社を置くロータスホームが2年前から始めた空き家の管理サービス。
この空き家の管理者が利用するプランでは家の窓やドアの施錠、換気や掃除機での清掃活動などを月に1回行います。
ロータスホームの内田社長は空き家管理で重要な点をこう話します。
ロータスホーム・内田幸喜社長
「一番は変化に気づくこと。前回来たときより何か物が動いていないか、侵入の形跡がないか、(依頼の理由として)相続で実家を引き継いで、住まいが鹿児島県にない方が大多数を占めている」
県外からのニーズを受け、このサービスは現在、霧島市のふるさと納税の返礼品にも登録されているそうです。
県内43市町村を取材してみると、同様の空き家管理サービスを返礼品に登録しているのは17の自治体に上り、空き家問題への関心の高さがうかがえました。
県内の空き家は12万戸以上。
住宅に占める割合は13.6%と全国で最も高い数字です。
被害に遭った日高さんはその対策の難しさを口にします。
日高さん
「我々もやっぱり町内会長とか、いろんな人たちと話をして、日頃から見かけない人は要注意しているけど、わざわざ声をかけるわけにはいかないので、その点はやっぱり難しいところもある」
管理や対策に限界がある中、防犯アドバイザーの末永さんが指摘するのは被害を最小化することです。
防犯アドバイザー・末永さん
「じっくり犯罪ができるという意味では、本当にもう防ぐというよりも、被害を最小にするという意味で貴重品とか、そういったものは必ずご自宅で管理していただくというのが一番大事だと思う」
被害が増え続ける空き家。
しかし、かつてはそこに誰かの暮らしがあり、大切な時間を重ねてきた思い出が残されています。
事件の現場にならないように、眠っている空き家を見つめなおす機会が必要かもしれません。





















































































































