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ニュース・スポーツ

旧日本海軍『紫電改』、阿久根沖で4/8引き揚げへ 「翼が非常にきちんと残っている」

2026年4月6日(月) 11:45

鹿児島・阿久根沖の戦闘機、81年ぶりに海底から回収へ

鹿児島県阿久根市の沖合に、81年もの間、静かに海底へ沈み続けてきた戦闘機がある。旧日本海軍の「紫電改」だ。第二次世界大戦末期、アメリカ軍機との空中戦の末に不時着したこの機体が、いよいよ4月8日に引き揚げられることになった。「翼が非常にきちんと残っている」――関係者のその言葉が、発見から保存へと向かう地域の熱意を物語っている。

阿久根市沖200メートルに眠る"奇跡の機体"

阿久根沖から81年ぶりに回収へ

阿久根市脇本海岸の沖、わずか約200メートルのところに、その機体は沈んでいる。旧日本海軍の戦闘機・紫電改だ。

第二次世界大戦末期、アメリカ軍機との空中戦に巻き込まれたこの機体は、交戦の末に鹿児島県阿久根市沖へ不時着した。乗員の林喜重大尉はそのまま戦死し、機体だけが80年以上にわたって海中に取り残されてきた。

これまでの調査で、翼や紫電改の特徴ともいえる20ミリ機銃が確認されている。世界に現存するのはこの機体を含めてわずか5機、国内に限れば1機だけという、極めて稀少な存在だ。

地元NPOがクラウドファンディングで資金を集め、引き揚げへ

地元NPOがクラウドファンディングで実現へ

この貴重な機体を後世に残そうと立ち上がったのが、地元住民らで構成されるNPO「北薩の戦争遺産を後世に遺す会」だ。クラウドファンディングなどで広く資金を募り、4月8日の機体引き揚げへと漕ぎ着けた。

引き揚げを目前に控えた3月31日、現場近くの神社で神事が執り行われた。関係者らが集まり、作業の安全を祈願した。

同会の肥本英輔会長は、引き揚げへの思いをこう語った。

「翼が非常にきちんと残っている。全国の皆さん、若い方含めて見て欲しい。無事に機体を引き揚げて何とか成功させたいと思っている」

81年の時を経て、戦争遺産を未来へ

紫電改が海に沈んだのは、今からちょうど81年前のことだ。戦争の記憶が薄れ、当時を直接知る世代が少なくなっていく中で、現物として残された機体の価値はますます高まっている。

世界でも5機しか現存しないという希少性に加え、翼や機銃といった主要部位が比較的良好な状態で確認されていることは、歴史的・文化的な観点からも注目に値する。地元の人々がその保存に向けて自ら資金を集め、行動してきた事実もまた、この引き揚げプロジェクトに深みを与えている。

4月8日の引き揚げが成功すれば、かつて阿久根市沖の空で戦い、海へと沈んだ機体は、81年の時を経て再び地上へと姿を現すことになる。「全国の皆さん、若い方含めて見て欲しい」という肥本会長の言葉の通り、この紫電改がより多くの人々の目に触れ、戦争の記憶を次の世代へと伝える存在になることが期待される。

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