下甑島で発掘の化石、約8000万年前の新種哺乳類と判明 「アジアと北米のつながり」示す可能性
2026年6月6日(土) 08:00

「コシキバータル・カシマエンシス」 名前の由来は発見の地
鹿児島県薩摩川内市の下甑島で2019年に発掘された化石が、恐竜が生息していた約8000万年前の新種の哺乳類のものだったことが明らかになった。
国内では極めて珍しい発見であり、6月5日には薩摩川内市役所で記者会見が開かれた。専門家からは「アジアと北米との間で哺乳類のつながりがあった可能性がある」と、古生物学的に重要な意義を持つ発見であるとの声が上がった。
「コシキバータル・カシマエンシス」 下甑島から生まれた新種

アジアと北米をつなぐ「証拠」になりうる発見
発見されたのは、尖った前歯とギザギザの奥歯が特徴的な下顎の化石だ。化石が見つかった下甑島の鹿島町にちなんで、「コシキバータル・カシマエンシス」と命名された。
この生き物は、後期白亜紀にあたる約8000万年前に生息し、約3500万年前に絶滅した「多丘歯類」の一種。ネズミなどに似た体長約20センチほどの哺乳類だったとされる。
奥歯の形が決め手 北米との類似が新種認定へ
多丘歯類はアジアではモンゴルで多く発見されてきた。しかし、今回の化石は奥歯の形状が北米のものに近いことが判明し、これが新種として認定される根拠となった。
愛媛大学大学院で古生物を専門とする楠橋直准教授はこの発見の意義をこう語る。「(哺乳類の化石は)ほとんどモンゴルに偏っていて、それ以外のアジアの地域では、あまり見えていない状況なので、その時代の化石が日本で、色んなところで見つかるというのはすごく大事」。
今回の発見により、当時のアジアと北米との間に哺乳類を通じた何らかのつながりがあった可能性が浮上してきた。
甑ミュージアムで特設展示へ 「ぜひ見に来てほしい」
発見された化石は6日以降、甑島にある甑ミュージアムで特設展示される予定だ。甑ミュージアムの石川弘樹学芸員は、「(見つかった化石が)小さいのでなかなか難しいが、見て触れるような形で紹介できれば。(甑島には)恐竜以外の化石もたくさんあるんだよということをぜひ見に来てもらいたい」と来館を呼びかけた。
下甑島はこれまでも化石の産地として知られており、今回の発見はその地域の持つ学術的な価値を改めて示すものとなった。小さな島から世界の古生物学に一石を投じる発見が生まれたことは、地域にとっても誇らしい出来事であるといえるだろう。



















































































































