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ニュース・スポーツ

紫電改、81年ぶり海底から引き揚げ 鹿児島で記録上映に900人超が集まる

2026年6月25日(木) 16:00

世界に5機しか現存しない『紫電改』

2026年4月、鹿児島県阿久根市沖の海底から引き揚げられた日本海軍の戦闘機「紫電改」。その3年に及ぶ活動の記録映像が出水市で上映され、会場には900人を超える人々が集まった。「感動して涙が出た」。そんな声が相次いだ上映会の様子をレポートする。

予想を大きく上回る来場者、会場を急遽変更

上映会に訪れた大勢の来場者

上映会は、出水市のマルマエホール出水で開催された。当初は400人規模の会場での実施が予定されていたが、問い合わせが相次いだことから、約1000人を収容できる同ホールへ急遽変更。それでも900人を超える来場者が詰めかけた。地域の人々がいかに大きな関心を寄せていたかが、この数字からも伝わってくる。

海底200メートル、81年の眠りから覚めた機体

上映会で映し出された『紫電改』

今回引き揚げられた紫電改は、阿久根市沖の水深約200メートルの海底に沈んでいたものだ。81年ぶりに海面へと姿を現すまでには、クレーン船での4時間を超える作業が必要だった。

引き揚げ作業にあたった関係者は、こう振り返る。

「機体の重量が、想定外だった。3トン程度と見積もっていたが9トンを超えて、砂がぎっしり詰まっているようだ」

長い歳月を海底で過ごした機体には、それだけの重みが刻み込まれていた。

世界に5機しか現存しない、貴重な戦争遺産

林大尉に関する資料の展示

紫電改は現存するものが世界でわずか5機、国内では今回の機体以外に1機しかないという極めて希少な存在だ。上映会では、海底での事前調査から引き揚げ当日の様子まで、北薩の戦争遺産を後世に遺す会による3年間の活動記録が映し出された。

会場には、この機体を操縦していた林喜重大尉に関する資料も展示され、来場者は戦争の遺産としての紫電改に静かに思いをはせた。

「涙が出た」 地域住民の声

来場者の声

来場者からは、感動の声が多く寄せられた。

「引き揚げに一生懸命になっている方は良い仕事をしていると思う」

「(沈んでいたのは)主人とキスとりをしていた場所。引き揚げられた時がすごいビックリした。感動して涙が出た。すばらしかった」

身近な海域に眠っていた歴史の遺産が地上に戻ったことは、地域住民にとって単なるニュース以上の意味を持つ出来事だったといえる。

主催団体・北薩の戦争遺産を後世に遺す会の肥本英輔会長も、安堵の表情でこう語った。

「大変、大勢の人に来ていただいた。開催して良かったと安堵している。非常に良かったという人が多くて、本当に良かったと思う」

現在は塩抜き処理中 毎週土曜に一般公開も

上映された紫電改の機体

引き揚げられた紫電改は現在、機体に含まれる塩分を取り除く処理が行われており、この作業は今後1年ほど続く見通しだ。また、毎週土曜日の午後には一般公開が行われ、解説も実施されているという。貴重な戦争遺産を直接目にできる機会として、引き続き多くの人の関心を集めそうだ。

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