20年ぶりに砂浜が戻った 指宿市に海水浴場オープン 250億円をかけた海岸再生の今
2026年8月5日(水) 14:00
錦江湾を望む、鹿児島県指宿市中心部の海岸にこの夏、海水浴場がオープンしました。
生まれ変わりつつある海辺の空間に寄せる地域の期待を取材しました。
波打ち際で水しぶきを上げたり、浮き輪に身を任せ気持ちよさそうな子供たち。
指宿市民
「(子供が)楽しそうでよかった。ちょっとずつ(砂浜が)できていたので楽しみにしていた」
指宿市の海水浴場です。
場所は砂むし温泉で有名な施設やホテルが立ち並ぶ、延長約2キロの指宿港海岸の一角。
海水浴場が指宿市にオープンしたのは20年ぶりです。
こちらはかつて指宿市にあった海水浴場の映像。
夏の海を満喫する子供たちの様子は今も昔も変わりませんが、悩まされていたのは台風の襲来などによる砂浜の流失でした。
この海水浴場では1980年代の約3万人をピークに利用者が年々減少し、閉鎖された2006年には7000人を下回りました。
砂浜の流失は海水浴場の閉鎖にとどまらず、指宿港海岸では道路の陥没や高波が民家へ押し寄せるなど災害リスクも高まりました。
このため住民や観光団体などの間で海岸整備を望む声が高まり、2009年から要望活動が始まります。
指宿港海岸保全推進協議会・別府竜人副会長
「指宿は海に面した観光地だなので『海がもう少し充実していたら」とみんな思っているのでは」
その5年後に国が工事に乗り出したのです。
大城哲也記者
「海岸に砂を敷くトラックがやってきました。多い日で1日当たりおよそ400立法メートル。25メートルプールにして2杯分の砂が持ち込まれるということです」
2014年度に始まった指宿港海岸の整備事業は250億円近い巨費が投じられ、現在も続いています。
3つに分かれた工区のうち第一、第二工区は既に砂浜がよみがえり、今、整備が進められているのが第3工区。
海上には砂の流失を防ぐ突堤なども設置されています。
整備が終わった第二工区の利活用を探る実証実験として、指宿市が目をつけたのが海水浴場の復活でした。
指宿市都市・海岸整備課 出口拓也さん
「指宿市民からの(海水浴場の)要望があった。試しに1回やってみて、本当に指宿市に海水浴場が必要なのか確認したい」
整備される海岸線を懐かしむ人がいました。
肥後敏光さん(76)
「水泳パンツにテグスをくくり、釣り針を3本10メートル先につけ、それにゴカイをつけて泳ぐ。(岸から)200、300メートルの所へ。帰ってきたら3匹キスが釣れたり、ゴッババ(メブチ)もいたが」
海水浴場のすぐそばにあるガス会社で役員を務める肥後敏光さん76歳。
この場所で生まれ育ちました。
かつての砂浜は今よりもずっと豊かで、名物の砂むし温泉をはじめ、毎年春には浜競馬も開かれていたそうです。
肥後敏光さん
「ここの浜を走る。200メートル先から川の所まで。(歓声が)すごかった。『ワー』と言って、みんな自分の馬を応援するわけだから」
指宿が新婚旅行ブームに沸いた昭和40年代は、海岸にホーバークラフトが乗り入れていたことも。
その頃とまではいかないかもしれませんが、令和の今、海辺のにぎわいは形を変えて戻りつつあります。
そして、砂浜の再生と並行して進んでいるのが緑地帯の整備。
その様子を記録し続けた映像があります。
撮影したのは肥後美咲さん。
肥後敏光さんの孫です。
運営する1棟貸し切りの宿泊施設から海辺の移り変わりを見つめてきました。
宿泊施設運営・肥後美咲さん(24)
「恋人と来て家族と来てという風に、毎日、人が来るような場所に変わったと思う」
海岸や緑地帯がもたらす海と人の結びつきの強まりを肌で感じている美咲さん。
今後の仕掛けを探ります。
肥後美咲さん
「自分たちが生まれ育った指宿を、私たち世代でつくっていかなければと強く思っていて、海を盛り上げていきたい」
海水浴場オープンの日。
砂浜には多くの人の姿がありました。
指宿市・渡部徹也副市長
「私たちの街に海水浴場が帰ってきました。誰もが笑顔いっぱいで楽しめる運営に努めたい」
夏休みを迎えたばかりの子供たちが一斉に透明度の高い海へ。
海水浴場には有料で体験できる多彩なアクティビティも設置されました。
巨大な海上のアスレチックに、透明な球体に入るウォータバルーンボール。
20年ぶりに復活した海水浴場は、指宿の自然と非日常が交差する空間になっていました。
この30年、全国的には海水浴場が減り続けています。
そんな中、あえて20年ぶりに復活した指宿の海水浴場。
指宿市の小学生
「楽しい夏休みにしたい」
「普通のプールしか入ったことなかったが、思いのほかちょうどいい温度で泳ぎやすい」
小学生の保護者
「私はギリギリ小学生の時(海水浴場で)泳いだことがある。いっとき無くなっていたのですごく感慨深い。自分たちと同じ体験を子供がして、親としてもうれしい」
海から始まる新たな街作りがこの夏、指宿の街をどう変えていくのか注目されます。
指宿港海岸の海水浴場は夏休み期間中の8月31日まで開設されています。
生まれ変わりつつある海辺の空間に寄せる地域の期待を取材しました。
波打ち際で水しぶきを上げたり、浮き輪に身を任せ気持ちよさそうな子供たち。
指宿市民
「(子供が)楽しそうでよかった。ちょっとずつ(砂浜が)できていたので楽しみにしていた」
指宿市の海水浴場です。
場所は砂むし温泉で有名な施設やホテルが立ち並ぶ、延長約2キロの指宿港海岸の一角。
海水浴場が指宿市にオープンしたのは20年ぶりです。
こちらはかつて指宿市にあった海水浴場の映像。
夏の海を満喫する子供たちの様子は今も昔も変わりませんが、悩まされていたのは台風の襲来などによる砂浜の流失でした。
この海水浴場では1980年代の約3万人をピークに利用者が年々減少し、閉鎖された2006年には7000人を下回りました。
砂浜の流失は海水浴場の閉鎖にとどまらず、指宿港海岸では道路の陥没や高波が民家へ押し寄せるなど災害リスクも高まりました。
このため住民や観光団体などの間で海岸整備を望む声が高まり、2009年から要望活動が始まります。
指宿港海岸保全推進協議会・別府竜人副会長
「指宿は海に面した観光地だなので『海がもう少し充実していたら」とみんな思っているのでは」
その5年後に国が工事に乗り出したのです。
大城哲也記者
「海岸に砂を敷くトラックがやってきました。多い日で1日当たりおよそ400立法メートル。25メートルプールにして2杯分の砂が持ち込まれるということです」
2014年度に始まった指宿港海岸の整備事業は250億円近い巨費が投じられ、現在も続いています。
3つに分かれた工区のうち第一、第二工区は既に砂浜がよみがえり、今、整備が進められているのが第3工区。
海上には砂の流失を防ぐ突堤なども設置されています。
整備が終わった第二工区の利活用を探る実証実験として、指宿市が目をつけたのが海水浴場の復活でした。
指宿市都市・海岸整備課 出口拓也さん
「指宿市民からの(海水浴場の)要望があった。試しに1回やってみて、本当に指宿市に海水浴場が必要なのか確認したい」
整備される海岸線を懐かしむ人がいました。
肥後敏光さん(76)
「水泳パンツにテグスをくくり、釣り針を3本10メートル先につけ、それにゴカイをつけて泳ぐ。(岸から)200、300メートルの所へ。帰ってきたら3匹キスが釣れたり、ゴッババ(メブチ)もいたが」
海水浴場のすぐそばにあるガス会社で役員を務める肥後敏光さん76歳。
この場所で生まれ育ちました。
かつての砂浜は今よりもずっと豊かで、名物の砂むし温泉をはじめ、毎年春には浜競馬も開かれていたそうです。
肥後敏光さん
「ここの浜を走る。200メートル先から川の所まで。(歓声が)すごかった。『ワー』と言って、みんな自分の馬を応援するわけだから」
指宿が新婚旅行ブームに沸いた昭和40年代は、海岸にホーバークラフトが乗り入れていたことも。
その頃とまではいかないかもしれませんが、令和の今、海辺のにぎわいは形を変えて戻りつつあります。
そして、砂浜の再生と並行して進んでいるのが緑地帯の整備。
その様子を記録し続けた映像があります。
撮影したのは肥後美咲さん。
肥後敏光さんの孫です。
運営する1棟貸し切りの宿泊施設から海辺の移り変わりを見つめてきました。
宿泊施設運営・肥後美咲さん(24)
「恋人と来て家族と来てという風に、毎日、人が来るような場所に変わったと思う」
海岸や緑地帯がもたらす海と人の結びつきの強まりを肌で感じている美咲さん。
今後の仕掛けを探ります。
肥後美咲さん
「自分たちが生まれ育った指宿を、私たち世代でつくっていかなければと強く思っていて、海を盛り上げていきたい」
海水浴場オープンの日。
砂浜には多くの人の姿がありました。
指宿市・渡部徹也副市長
「私たちの街に海水浴場が帰ってきました。誰もが笑顔いっぱいで楽しめる運営に努めたい」
夏休みを迎えたばかりの子供たちが一斉に透明度の高い海へ。
海水浴場には有料で体験できる多彩なアクティビティも設置されました。
巨大な海上のアスレチックに、透明な球体に入るウォータバルーンボール。
20年ぶりに復活した海水浴場は、指宿の自然と非日常が交差する空間になっていました。
この30年、全国的には海水浴場が減り続けています。
そんな中、あえて20年ぶりに復活した指宿の海水浴場。
指宿市の小学生
「楽しい夏休みにしたい」
「普通のプールしか入ったことなかったが、思いのほかちょうどいい温度で泳ぎやすい」
小学生の保護者
「私はギリギリ小学生の時(海水浴場で)泳いだことがある。いっとき無くなっていたのですごく感慨深い。自分たちと同じ体験を子供がして、親としてもうれしい」
海から始まる新たな街作りがこの夏、指宿の街をどう変えていくのか注目されます。
指宿港海岸の海水浴場は夏休み期間中の8月31日まで開設されています。



















































































































