新米の方が古米より安い?「コメ余り」が生んだ価格の逆転現象 異例事態の背景とは
2026年9月7日(月) 16:00

「令和の米騒動」から一転、今度はコメが余っている!?
「令和の米騒動」から一転、今度はコメが余りすぎている。食欲の秋を前に店頭へ並び始めた新米が、昨年産の米よりも安いという異例の事態が起きている。鹿児島市の米店でも、その現象はくっきりと数字に表れていた。
新米2700円、古米3200円 棚に並ぶ"逆転"

スーパーでの米販売価格の推移
鹿児島市下荒田にある二之宮米穀店では、8月中旬から今年の新米が店頭に並び始めた。5キロあたり2700円から2900円という価格だ。ところが、すぐ隣に置かれた2025年産の米は3200円。新米の方が古米よりも安いという、通常では考えにくい光景が広がっている。
農林水産省が発表するスーパーの平均販売価格を見ても、その下落幅は大きい。2026年1月には5キロで4416円だった米が、最新の数字では3112円となっており、わずか数か月で1300円以上も安くなっている計算だ。
街の消費者からは「だいぶ落ち着いたのでありがたい」「安いのはありがたいけど農家さんのことを考えると…」と、複雑な声が聞こえてくる。
深刻な「コメ余り」が背景に

二之宮米穀店 二之宮行宣さん
この価格逆転の背景には、深刻なコメの供給過剰がある。政府による備蓄米の放出に加え、2025年は米が豊作で供給が需要を大きく上回った。その結果、2025年産の米を消費しきれないまま新米のシーズンを迎えることになってしまった。
二之宮米穀店の二之宮行宣さんは「在庫が膨れ上がってしまって、今の状態で新米が出てきた」と現状を説明する。さらに「過剰にある在庫を早く売らなければならない。業者によっては赤字が出ているところも相当あるのでは」と、流通現場の厳しさを明かした。
政府が動く 21万トンの買い戻しへ

政府は21万トンの買い戻しへ
事態を重く見た政府も対応に乗り出した。鈴木憲和農水大臣は「政府備蓄米の買い戻し手続きを開始いたします」と表明し、2025年産のコメを備蓄米として買い戻すことを正式に決定した。まずは2025年に放出した59万トンのうち、21万トン分を買い戻すとしている。
消費者・生産者・売り手、それぞれの思い
米の値下がりは消費者にとってはうれしいニュースだ。しかし、価格が下がれば農家の収入にも影響が出る。二之宮さんは「何とか農家も助けてもらって、市場の方は市場原理を働かせて、うまい具合にできないだろうか」と複雑な思いを語る。
「安いのはありがたいけど農家さんのことを考えると…」という消費者の言葉は、多くの人が抱く本音でもある。食欲の秋に旬を迎える新米。その価格をめぐる動きは、生産者・消費者・売り手のそれぞれが納得できる落としどころを、今まさに模索している段階だ。政府の買い戻し施策が市場にどう影響するか、引き続き注視が必要である。
令和の米騒動では「米が足りない」と騒がれたのが、今度は「余りすぎて困る」という状況に転じた。生産者、消費者、そして売り手、それぞれが納得できる形で市場が安定するかどうか、今後の動向に引き続き注目が必要だ。


















































































































