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ニュース・スポーツ

「天ぷらが13枚」90歳の現役料理人が作る大盛り食堂 鹿児島・財部駅舎の「桂庵」

2026年9月25日(金) 14:00

後藤一幸さん(90歳)と娘の奈津代さん

「天ぷらそばの天ぷらを数えたら13枚あった」「ミックスフライにはうどんまで付いてくる」――鹿児島県曽於市のJR財部駅舎内にある食堂「桂庵」は、その圧倒的なボリュームで地元客を引きつけてやまない。すべての料理を作るのは、今年90歳になった料理人・後藤一幸さんだ。定年後の30年間、厨房に立ち続けてきた男の思いとはどんなものか。

朝6時から始まる「戦闘服」の一日

お店を切り盛りする「チーム一幸」

後藤さんの一日は、まずスマートフォンでニュースをチェックすることから始まる。それが日課だという。そして「これが戦闘服です」と言いながらエプロンを身につけると、朝6時からうどんとそばの仕込みを始める。

飲食チェーンの営業マンとして長年働いた後藤さんが食堂を始めたのは、60歳の定年後のことだ。現在の場所、JR日豊本線・財部駅の駅舎内に移転したのは約20年前。以来、娘の奈津代さん、孫の美里さんとともに「チーム一幸」で店を切り盛りしてきた。

「すごい努力家です。60歳で定年してから始め、90歳まで働き続けているので尊敬しています」と、孫の美里さんは祖父への思いを語る。

天ぷら13枚、うどん付きミックスフライの哲学

圧倒的ボリューム!店のおすすめ「ミックスフライ」

桂庵の最大の特徴は、その料理の量だ。「ざるそば」は麺が山盛りに盛られ、天ぷらそばを注文した客が天ぷらの枚数を数えると「6、7、8……13かな」という結果になる。店のおすすめ「ミックスフライ」は4種類の揚げ物が大皿いっぱいに乗り、ご飯に加えてうどんまで付いてくる。食べきれない客も多いため、メニューには持ち帰り用容器の案内まで掲載されているほどだ。

なぜここまで量を多くするのか。後藤さんはこう語る。「僕は小さい頃にものを食べてないからね。皆さんにたくさん食べてもらおうということと、腹一杯食べるのが人間。本能ですからね」

戦中・戦後の食糧難を経験した世代だからこそ生まれた食への哲学が、桂庵の大盛りスタイルを支えている。

物価高騰と戦いながらも「なるべく安く」

次々に揚げ物をこなす 後藤さん

ただし、昨今の物価高騰は桂庵にも影響を与えている。後藤さんは率直に明かす。「オープンした頃は安かったからたくさん入れられたけど、最近ちょっと減らしているんですよ。なるべく安くお客さんに出したいけど、これだけ物価が上がるとメニューを2カ月に1回変えないとどうにもならない時期だった」

それでも大盛りのスタイルは崩さない。安く、たくさん食べてもらいたいという姿勢は、30年間一貫している。

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