月謝ゼロ・元自衛官と元警察官が先生に 「公営塾」が地方の教育格差に挑む【鹿児島・東串良町】
2026年10月7日(水) 13:30

塾がない地方の教育格差に自治体が挑む
塾が少ない地方の町で、月謝無料の「公営塾」が子どもたちの学びを支えている。しかも講師を務めるのは、元自衛官と元警察官という異色のコンビだ。鹿児島県東串良町で2025年4月にスタートしたこの取り組みは、経済的な負担を軽くしながら地域の子どもたちに学習の場を届ける、新しい教育の形として注目を集めている。
「近隣の塾に行けない子どもがいる」という現実

森園陽任さん(写真 左)と吉野恭太郎さん(写真 右)
東串良町には、学習塾が少ない。近隣の自治体の塾に通う児童・生徒も多いが、距離が遠く通えない子どもたちも少なくない。そうした実情を受け、東串良町教育委員会の中小野田輝幸管理課長は「東串良町で塾を開設した」と語る。
公営塾とは、自治体が主体となって運営する塾のことだ。地域に民間の塾がない地方の自治体を中心に、全国的な広がりを見せている。鹿児島県内でも、東串良町のほか徳之島町や和泊町で同様の取り組みが進んでいる。
東串良町の公営塾は、町内に2つある学校でそれぞれ週2回実施されており、対象は小学3年生以上だ。料金はテキスト代の3000円のみで、月謝は無料。物価高が続く昨今、保護者にとってその恩恵は大きい。ある保護者は「全然お金がかからないので本当に助かります。今、物価高なので特に」と率直な喜びを口にした。
異色の講師コンビ 元自衛官と元警察官

子どもたちに勉強を教える 森園陽任さん
2026年4月、東串良町教育委員会に2人の男性が地域おこし協力隊として加わった。22歳の吉野恭太郎さんと41歳の森園陽任さんだ。
吉野さんはもともと航空自衛隊に所属していた。「自分は弟と妹が小学生で、そういう子どもたちと関わる機会が多かったので、少しでも力になれたら」という思いが、この仕事への志望動機だった。
一方の森園さんは、警察官をはじめさまざまなキャリアを積んできた。剣道の指導者として少年剣道にも携わっており、「子どもが好きということと、少年剣道にも生かせたらと考えた」と語る。
異なるバックグラウンドを持つ2人だが、子どもたちへの思いは共通している。午後3時になると、公営塾の会場となる小学校の図書室へと向かい、学校の授業をテキストで復習する形で学習を進める子どもたちに寄り添う。分からないところは、2人が丁寧に教えてくれる。
















































































































