
番組審議会(令和7年7月度)
開催日時場所
令和7年7月31日(木)正午~ 鹿児島テレビ放送本社 3階会議室
議題
合評番組
「負ケテタマルカ!!~生きることを諦めない・・・3人家族、愛の20年物語」
5月20日(土)19:00放送
出席委員(敬称略)
委員長
佐野 雅昭
副委員長
稲荷田 治美
委員
田中 陽一郎
地頭所 恵
高嶺 千史
有馬 浩一郎
飯干 紀代子
議事概要
委員側の意見要旨
〇以前に見た「ママとぼくと信作と」のその後が気になっていた。番組は苦境に立たされながらも生き抜いている家族や視聴者に向けてのメッセージだったと思う。
〇途中に入る何気ない鹿児島の日常風景や、人や町の様子が壮絶な闘病生活と対比されて胸が締めつけられた。
〇紘輝君の絵のタイトルが全て絶妙だった。紘輝君自身がつけているのか、先生と話してつけるのか、先生がつけているのか知りたいと思った。
〇長期間にわたって丁寧に取材をされた素晴らしいドキュメンタリーだと感じた。多くの人に見てもらいたい。
〇難病と闘う家族は他にもいる中、なぜ本田家族に関われたのか、取材に至った経緯を知りたい。
〇本田親子を描いた番組は、過去に番組審議会の対象になったこともあるが、なぜ今回また審議の対象にしたのか知りたい。
〇リアルとバーチャルの区別がつかないと言われる若者が増えている中、人の死という尊厳高いテーマをリアルとして映像化したことは、重要な意味を持つ構成だと思った。
〇お母さんのがんの話は、医学的な観点から多少の疑問と違和感を持った。奇跡にすがり、治療への拒否や懐疑心につながるのでは、と思った。
〇人の死をここまでオープンに見せたことが衝撃的だった。少なくともその瞬間だけは避けるのが倫理的かもしれないが、今回はそこをあえて突破していた。
〇通常、テレビ側が視聴者に要求することはないが、番組は「あなたたちはどう思うか?」と考えることを要求していた。作り手と視聴者の総合的な交流が生まれる番組だった。
KTS側の意見要旨
〇世界では戦争で命が簡単に失われ、日本に目を向けても自殺者が2万人を超え、特に若者の自殺率が先進国の中で圧倒的に多いという時代に、オールドメディアといわれるテレビに何ができるのだろうと考えた。
〇20年取材をしてきた中で、命と正面から向き合って生きることを考えてほしい、今作るべき番組だと思った。
〇取材に至った経緯は、報道時代に別件の取材で時間が空いた時に小学4年生がグランプリを取った絵のことをふと思い出し、学校に連絡をした。竹下先生と会って紘輝君を紹介され、先生とのやり取りの中で取材をする流れになった。
〇絵のタイトルについては、先生がこういうタイトルはどう?と促すことがあったかもしれないが、最終的には紘輝君が決めた。
〇番組を審議対象にした理由は、4月から「鹿スペ」が始まり、その中で選びたいと思っていた。グルメ系や町ぶらりの内容が多かったため、過去に出たことは知っていたが、再編集した作品としてもう一度審議いただきたいと思った。
〇お母さんの話については、番組は病気が治ることを言いたいわけではなく、今苦しんでいる人たちの人生にも奇跡が起きてほしいし、起こると信じて何があっても生きてほしいという願いを込めて番組を作った。
委員(敬称略)
委員数7名
・委員長
佐野 雅昭 (鹿児島大学 水産学部教授)
・副委員長
稲荷田 治美 (南日本リビング新聞社 取締役総務部長)
・委員
田中 陽一郎 (株式会社 川北電工 代表取締役社長)
地頭所 恵 (鹿児島県教育委員会 教育長)
高嶺 千史 (南日本新聞社 編集局文化生活部長)
有馬 浩一郎 (JA鹿児島県中央会 常務理事)
飯干 紀代子 (志學館大学 学長)
・審議回数 年10回 (毎月1回、8月と12月は休会)
・番組審議会の概要は本社・各支社で閲覧できます。