ウイスキー製造免許持つ酒蔵は鹿児島が日本最多! 焼酎王国のウイスキー最新事情に迫る
2025年10月17日(金) 09:00
高まるウイスキー需要 焼酎との共通点は「蒸留」

天星酒造(鹿児島・大崎町)
いま、県内では焼酎メーカーがウイスキーを製造する動きが相次いでいる。大隅半島の大崎町にある天星酒造もその一つ。2022年にウイスキーの製造免許を取得し、菱田蒸溜所として新たにウイスキー事業を始めた。
「焼酎づくりの経験はあるが、全てにおいて正直なところやったことがない。チャレンジしているところ」中原優生産本部長はこう話す。
ウイスキーの製造免許を取得している鹿児島県内の酒蔵は、2014年には本坊酒造のみだったが、5年後には7となり、2023年には13に増え、全国1位となった。
背景にあるのが国内のウイスキー需要の高まりだ。ウイスキー出荷量は1980年代後半から下降線をたどっていたが、NHKの朝ドラやハイボール人気を受け、2007年から上昇している。
もうひとつ重要なのが、ウイスキーと焼酎の共通点だ。小原さんは「焼酎メーカーは発酵、蒸留の技術があるのでウイスキーを造ろうと考える。『鹿児島から世界へ挑戦したい』ということも聞いている」と語る。実際、天星酒造では蒸留器の一部に焼酎と同じものを使用。「両方とも使える蒸留器。今この時期はウイスキーなんですけど、これから焼酎用に切り替わります」と中原本部長は説明する。
鹿児島ウイスキーが世界から注目される日も
天星酒造初となるウイスキーは2026年秋以降に販売される予定だ。「3年後しか評価いただけないが、その分、期待と夢がある。不安もありますけど」と中原本部長は期待を込める。
小原さんは、「それぞれの蒸留所が自分たちのウイスキーを追求する中で、いつか鹿児島がスコットランドのアイラ島のように世界から注目される土地になれば」と展望し、その可能性は「非常にある」と語る。
焼酎王国・鹿児島の酒蔵が取り組むウイスキー作り。それぞれの特徴を生かした「鹿児島ウイスキー」の今後に注目だ。

















































































































