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旧海軍戦闘機「紫電改」鹿児島・阿久根市で慰霊祭 80年前の4月21日、阿久根市沖に不時着

2025年4月21日(月) 18:47

太平洋戦争末期、いまから80年前の4月21日、鹿児島県阿久根市の沖で旧海軍の戦闘機、紫電改が空中戦の末に不時着しました。

機体はその後も海に眠ったままとなっていて、21日、現地では、戦死した乗員の慰霊祭が行われました。

また現地では、機体の引き揚げに向けた動きも進められていて全国的にも注目される中、週末に行われた潜水調査では、機体の翼や機銃が残されているのが初めて確認されました。


太平洋戦争末期の1945年4月21日。

阿久根市の沖で、鹿児島県出水市の旧海軍基地を攻撃に来たB29の編隊を迎え撃つため出撃した、戦闘機紫電改が空中戦の末に不時着しました。

乗員の林喜重大尉は戦死。

機体はその後80年間、海に沈んだままとなっています。

紫電改の不時着から80年がたった21日、現場近くの慰霊碑では、海に沈んだ機体の引き揚げを目指すNPOのメンバーら約40人が参加して、慰霊祭が行われました。

参加者らはこの地で散った乗員に思いをはせているようでした。


海に沈んだ紫電改。


現存しているのは世界で4機、国内では1機しかないとされる貴重な機体で、現地では引き揚げに向けた動きが進んでいます。

18日と19日には引き上げを目指すNPOが潜水調査を実施。

水中カメラマンや水中考古学の専門家などが海に潜り、脇本海岸から約200メートル離れた水深3メートルの地点で機体を確認しました。

その結果、これまでの調査では確認できなかった両翼と、2連式の20ミリ機銃を新たに発見することができたということです。

調査を行った東海大学 海洋学研究科・木村 淳准教授
「実際に翼の形状が確認できた。状態については分からないですけど、形状が確認できたということは、非常に大きな成果だったと思います」

紫電改・林大尉機を引き揚げる会・肥本 英輔会長
「非常に保存状態が良いことがはっきりしましたので、できるだけ早く引き揚げたいなという気持ちがより強くなったところです。専門の知見をお持ちの方にもこれから(協力を)相談したい」

引き揚げをめざすNPOでは、今後、クラウドファンディングなどで資金を集め、早ければ戦後80年の2025年中に作業を開始したいとしています。

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