「将来の不安を減らしたい」物価高が後押し 鹿児島で拡大するNISA・投資学習と地域コミュニティの現場
2025年12月4日(木) 10:00

「NISA始めた?」若者から60代まで広がる“投資”の波
投資に対する関心が県内で広がっている。株式投資やNISAなど金融関連の言葉を耳にする機会が増え、物価高が続く中で資産運用への意識も高まっている。今回は「投資」をテーマに、県内の様々な世代の動向を取材した。
学びの場が広がる金融教育

ファイナンシャルプランナー・瀬尾由美子さん
「積み立てNISAの手順を知りたい。何を買ったらいいか分からない」「まず金融機関を決めないといけない。銀行にするか証券会社にするか」
鹿児島市で開かれているお金の知識を学ぶサークル。講師のファイナンシャルプランナー・瀬尾由美子さんの話に、20代から60代の女性が耳を傾けている。投資歴は初心者から10年以上とさまざまだ。
「新NISAを今年5月から始めた。年金でゆったり過ごす感じだったが、今はそうでもなくなったようなので、先生から知識を教えてもらい、将来に向けて考えていかないと、と思って」と語るのは投資歴半年の60代主婦だ。
投資歴10年の60代主婦は「お金をインフレに負けないように活用できることを教えてもらった。銀行預金の金利より、NISAにまわすとか、少しでも減らない投資を考えている」と話す。
「投資」とは自分のお金を株式や債券といった金融資産に投じ利益を得ようとすることを意味する。NISAは2014年から始まった制度で、簡単に言えば投資に対する税金が免除される仕組みだ。金融庁によると、2025年6月時点で鹿児島県内では23万を超えるNISA口座が存在し、単純計算で18歳以上の5人に1人が口座を開設していることになる。
子育て世代も資産形成に関心

子育て世代も始める資産形成
物価高も相まって関心が高まる投資だが、銀行預金と違い、元本は保証されていない。リスクを伴う投資などの知識を広めようと、国が力を入れているのが金融教育だ。2022年には高校の授業で必修化になったほか、2024年に金融庁が教育を推進する法人を設立。学校や企業、公民館など要望に応じて無料で講師を派遣している。
県内では15人の講師が登録され、瀬尾さんもその一人だ。鹿児島市の託児施設では、子供を預けている母親たちが瀬尾さんの金融教育を受けていた。
「家の購入を考えていたり、子供の将来的な大学の資金、預金だけでは増えないので運用が大事かなと」と30代主婦は話す。別の参加者も「預貯金よりも増えてほしいので、リスクあるけど(NISAに)比重を置いている」と語る。


















































































































