老舗スーパーの再生はこうして始まった 社長の信念、産地直送、そしてライブ配信の力「大切な人の健康と命を守る」
2025年10月25日(土) 07:00

スーパーハルタ・春田晃秀社長
鹿児島市の中心地、天文館のいづろ通りに店舗を構える「スーパーハルタ」。江戸時代に呉服店から始まり、2025年で創業176年を迎える老舗スーパーが、オーガニック商品の取り扱いとSNS戦略で新たな進化を遂げている。
25分間続く社長の熱い朝礼

スーパーハルタの一日は、春田晃秀社長の朝礼から始まる
午前8時半、スーパーハルタの一日は春田晃秀社長の朝礼から始まる。前日の売り上げなどの連絡事項の後も、社長の話は止まらない。
「今もうスローフード、日本はメジャーではありませんが、世界的にはかなりメジャーな大きな大きな運動となっています」
従業員が商品の陳列を続ける中、社長の熱い思いはマイクを通して店内に流れ続ける。この日は約25分間に及んだ。
ある従業員は「忙しくて途中途中でしか聞けない部分もあるが、勉強にはなる」と話す。別の従業員に「朝礼ではない」と尋ねると「これは...社長の思いを語っているだけ」との答えが返ってきた。
オーガニック商品への転換 その背景にある家族の経験

オーガニック商品への転換の背景には‥
かつては県内に10店舗以上を展開していたスーパーハルタ。しかし大手スーパーとの競争に勝てず、現在はいづろ店1店舗のみとなっている。
そんな中、6代目となる春田晃秀社長が約10年前から力を入れ始めたのがオーガニック商品だ。その背景には、社長自身の家族の経験があった。
「私の妹が免疫障害で命を落とした。私もアレルギーがひどかった。私の弟もアレルギーがひどくて。これだけ医療が進歩しているのに、これだけ病気が増えてきたのは食べ物が原因だと私は思っている」
春田社長は「大切な人の健康と命を守る食品スーパーでありたい」という思いを胸に、オーガニック商品の拡充に取り組んできた。
農家から直接仕入れる約100種類の野菜と果物

約100種類の野菜や果物を農家から直接仕入れている
スーパーハルタの生鮮食品の仕入れ方法も独自路線だ。卸売業者などを介さず、約100種類の野菜や果物を農家から直接仕入れている。
「地元のローカルスーパーならではの取り組みとして、情報を聞いたらすぐ農家に行って『どういう栽培の仕方をしていますか?農薬、化学肥料、土作りどうされていますか?』と、生産者の思いを聞いて『じゃあやりましょう』と(契約する)」と春田社長は説明する。
この独自の品揃えは客にも好評だ。「珍しい食材がいっぱいある」「子供の健康も考えて食生活を意識するようになった」という声が聞かれる。
















































































































