馬毛島の変化と地域経済の岐路 種子島に残る“バブル”の影
2026年1月17日(土) 07:00
種子島経済への影響

宿泊用のコンテナが並ぶ
基地整備に伴う変化は、約2000人が馬毛島へ行き来する種子島でも続いている。着工当初から宿泊施設が不足しているという声が相次ぎ、目立つようになったのは宿泊用のコンテナだ。2025年から島内で約300室のコンテナの運営を始めた「住まっぷ」の柏井貴志会長は「徐々に利用者が増えてきている。今後2年間くらいは工事関係者がピークとゼネコンから聞いている」と話す。
しかし、西之表港近くの老舗ホテルでは、工事関係者の利用が多いキャビンとカプセル型の客室に2025年から少し空きが出始めたという。「馬毛島に宿舎が整ったことが一番大きい理由なのでは。馬毛島に宿舎が整ったことでここの滞在が少し減ったのでは」と種子島あらきホテルの荒木政臣専務は語る。
2025年の夏、種子島観光協会が島内の1市2町の宿泊施設を対象に行ったアンケートでは、半数ほどの宿泊施設で約50%以上の空室率となっていて、特に西之表市ではその動きが顕著だという。
また、賃貸物件の家賃も馬毛島の工事の影響などで最大で3割ほど上昇したものの、2025年からは上げ幅が落ち着いてきたようだ。「3年契約、2年契約がちょうど今終わる時期だから、家賃が上がるよりも下がるのではという見通しを立てている」と種子島不動産の砂坂次義社長は説明する。
「アフター馬毛島」への懸念と対策

「アフター馬毛島」を見据えた取り組みが始まっている
基地工事による需要と供給のバランスに変化の兆しが見られる中、種子島あらきホテルの荒木専務は「『アフター馬毛島』というのはどうしても頭の片隅に常にあった。大体8割強が馬毛島の客となったときに、それがゼロになったときに、どこまで一般の観光客やビジネスの方々を戻せるのかと考えたら少し心配」と懸念を示す。
そうした危機感から、荒木専務を中心に、種子島の自治体や民間事業者18団体で、2025年から「アフター馬毛島」を見据え観光客の増加に向けた会議が始まった。「国際観光地になって様々な国の方々に来てもらいたい。商売をしている人たちではなくて、地元、種子島に住んでいる人たちの生活の質の向上を望めるような、そういう観光地になれれば」と荒木専務は期待を込める。
一方で、馬毛島の実情に詳しいある男性は「工事が終わって種子島の人たちはどうなっていくのか。ちょっとしたバブルじゃないですか。これまで稼いだ人が途方に暮れる島になっていくのか」と将来を懸念する。
工事関係者がピークを迎えた今、西之表市の経済は大きな転換点を迎えようとしている。基地建設がもたらした一時的な経済効果が終わった後の種子島の未来が問われている。

















































































































