1つの作品から
2023.11.15

今週KTSライブニュースでは、この夏から秋にかけて取材を続けていた
「鹿児島のアートの今」についてお伝えしました。
色んな展覧会を訪ねたのですが、とても印象深い作品があったので紹介させてください。
こちらの作品。
タイトルは、3955日の孤独。
作ったのは刺繍家の壽福ヤス子さんです。

パッと見てどんなことを感じましたか?
私は作品を初めて見た時、叫びのようなものを感じて
心がチクッとしました。
実はこの作品のモデルは作者の壽福さんの息子なんです。
壽福さん一家は新型コロナが流行するまで海外で暮らしていましたが、
その中でアジア人差別を経験しました。
大切な一人息子と一緒に悩みや葛藤と向き合った日々が、
人種をイメージさせる血の色の糸で表現されています。
海外で暮らしたことのない私に
これまで深く知らなかった(知ろうとしなかった、かもしれません)アジア人差別の問題を突きつけました。
人種って何なんだろう?
差別された人の痛みはどんなものだろう?
知らず知らずのうちに差別を生んでいることはないのかな?
など、作家さんが作品を作りながら思ったことを聞いていると
いろんなことを考えます。
作者の壽福さん、
そして取材にご協力いただいたみなさん、
濃密な時間をありがとうございました。
