100歳を前に彫り続ける理由 文化勲章の彫刻家・中村晋也、「かくれ念仏」をモチーフに3mモニュメント制作
2026年5月11日(月) 11:50

中村晋也(99)が刻む祈りの像
鹿児島市在住の彫刻家・中村晋也さん(99歳)が、新たな作品の制作に取り組んでいる。2026年に100歳を迎えるにもかかわらず、そのアトリエでは真剣な表情で彫刻に向き合う姿があった。「それがなかったら中村晋也という人間はいない」――衰えることのない創作への情熱が、今もその言葉ににじんでいる。
大きな手のひらの中に息づく、禁じられた祈り

「かくれ念仏」をモチーフに3mモニュメント制作中
今回制作しているのは、鹿児島の歴史に深く刻まれた「かくれ念仏」を題材にしたモニュメントだ。
大きな手のひらが合わさり、その下に生まれた空間。中には念仏を唱える人々の姿が収まっている。高さ約3メートル、幅約1.8メートル、奥行き約1メートルという迫力ある作品である。
「かくれ念仏」とは、江戸時代から約300年にわたって鹿児島で続いた浄土真宗の禁教に関わるものだ。信仰を禁じられた「かくれ門徒」の人々は、洞窟などに身を潜めながら念仏を唱え続けた。その洞窟は今も県内各地に残されており、弾圧の歴史と信仰の強さを静かに伝えている。
2026年は、その禁教が解かれてちょうど150年の節目にあたる。この記念の年を前に、西本願寺鹿児島別院が中村さんに制作を依頼した。約2年前から取り組んできた作品は、富山県で鋳造され、2026年10月下旬に西本願寺鹿児島別院でお披露目される予定だという。
ダイナミックなモニュメントを世に送り出してきた彫刻家

若き薩摩の群像の作者が描く新作に注目が集まる
中村晋也さんは文化勲章受章者であり、鹿児島を代表する彫刻家として知られている。JR鹿児島中央駅前に立つ「若き薩摩の群像」は、多くの市民や観光客に親しまれている代表作のひとつだ。また、2023年には奈良県の薬師寺に「釈迦八相像」を奉納するなど、宗教的・歴史的なテーマに向き合った大規模なモニュメントを数多く手がけてきた。
今から12年前、中村さんは作品制作にかける思いをこう語っていた。
「使命ですよね。僕がこれをしなかったら当分やる人はいないんじゃないか」
その言葉は今も変わらず、99歳となった現在のアトリエにも生きている。





















































































































