「ここまで大きくなるとは」 鹿児島の茶葉が2年連続日本一、抹茶ブームで価格は前年比2倍超に
2026年6月26日(金) 16:20

鹿児島の茶畑
荒茶の生産量で2年連続日本一となった鹿児島県で、茶葉の急激な価格高騰が起きている。背景にあるのは世界的な抹茶ブームだ。需要の高まりを受けて生産者は「てん茶」へと軸足を移し、煎茶の需給が引き締まる構造変化が進んでいる。「ここまで大きくなるとは思っていなかった」と驚きを隠せない関係者がいる一方、県外の飲料メーカーが自ら茶畑を手がけるという新たな動きも生まれている。
南九州市の茶畑で、いま何が起きているか

てん茶を製造する工場
鮮やかな緑が広がる南九州市の茶畑。一番茶の収穫が終わり、二番茶の収穫が行われるこの時期、55ヘクタールの広大な土地で祖父の代から荒茶を生産してきた下窪健一郎さん(下窪勲製茶社長)は、畑の一角に張り巡らされた黒いカバー「バロン」を指さした。
「鮮やかな色を出す。濃い緑、特有の香りを生み出すことができる」
このカバーをかぶせる「被覆」の工程が、煎茶とてん茶の分かれ目になる。煎茶の被覆期間は大体1週間ほどだが、抹茶の原料であるてん茶はその倍の期間をかけるという。同じ木から収穫された茶葉が、被覆の長さによってまったく異なる商品になるのだ。
下窪さんが当初栽培していたのは煎茶のみだった。しかし2年前からてん茶の栽培を始め、現在は全体の6割をてん茶が占めるまでになった。2年前にはてん茶専用の工場も新たに建設している。
「てん茶を作ることで、煎茶を適期に摘むことができる」と下窪さんは説明する。被覆期間が異なる二種類を組み合わせることで、作業の効率化も図れるという利点があった。製造工程もシンプルだ。「蒸して乾燥するだけなので、てん茶は蒸してから1時間ぐらいで製品になる」。
転換のきっかけは、コロナ禍明けのインバウンド回復だった。「偶然にもコロナが明けてインバウンドの関係で外国人の方が増えてきて、抹茶のほうに関心もあったのでいいチャンスだなと」。長らく価格低迷が続いていた厳しい経営状況のなかで、世界的な抹茶人気は一筋の光明として映った。「また頑張ることで皆さんやる気も出てくる」と下窪さんは話す。




















































































































